ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

モーツァルト

 2015年の右手の怪我から復帰してから一年に1曲ピアノ協奏曲に取り組もうと思ってきました。昨年は大学院を修了したときの課題に選んだチャイコフスキーの1番(この曲に初めて取り組んだときに自分はロシア音楽を中心に研究していきたいという気持ちが生まれました)を弾いていたのですが、今年はモーツァルトの21番に取り組んでいます。

 モーツァルトの協奏曲は今までずっと弾くのを避けてきました。特に若い頃は細かい動きが苦手でモーツァルトは一度もリサイタルのプログラムに入れたことがありませんでした。大学院を修了して演奏活動を始めてからまわりからも大きくて重い曲が合っているのではないかと言われていました。チャイコフスキーの次はラフマニノフの2番、パガニーニの主題による狂詩曲、ベートーヴェンの3番と5番(後になって4番も弾きました)、プロコフィエフの3番…モーツァルトのレパートリーは学生の頃に弾いた23番と音楽教室で弾いた26番「戴冠式」を1楽章だけで、凄い恐怖感がありました。

 そのモーツァルトに今年は取り組んでみようと思いました。5月の八王子でのデュオリサイタルの動画を観て、自分は細かい音の動きがきちんと弾けていないのではないかと思えました。もっとキラキラした美しい響きで弾いてみたいと思ったのです。
 21番は以前に教室の発表会で生徒さんが弾いたことがありました(もちろん私がオーケストラパートを弾きました)。また、ピアノを2台出す来年の発表会でも弾く人がいます。その他20番の協奏曲を弾く人もいます。ここで自分がモーツァルトにきちんと取り組んでおきたいと思いました。

 新しい発見がたくさんあります。何だかとてもわくわくしてきました…来年の発表会までにより良い指導ができるように、まず私が頑張ります。