ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

ロシア語 2019年夏

 春から夏にかけてあまりテンションが上がらないまま細々と続けていました。そろそろ本腰を入れてかからなければなりません。先月下旬、あまり身体の調子が良くなくてコンサートの準備が出遅れてしまい、ここに来て大慌てで集中してさらっているため、なかなかロシア語まで手が回りません。朝のロシアTVのニュースと運転中のラジオ講座はずっと続けていましたが、SNSなどのロシア語の記事はあまり熱心に読んでいませんでした。
 
 ここに来てドサドサとロシア語のメールが到着…わからない単語の嵐…やっと重い腰が上がりました。

 長期の留学を経験していない私は語学力でずっとコンプレックスを持っていて、ロシアの音楽院を卒業した人と同程度のロシア語力が欲しいといつも思ってきました。しかし、現実は厳しいものです。もうやめたいと思ったことも幾度となくありましたが、そう思うたびに何か起こってやめられなくなるのです。

 私のロシア語力を飛躍的に高めてくれたのは、2010年にシベリア鉄道に乗りにいったときの車掌のオジサン、アナトーリと師匠のパーヴェル・ネルセシアンです。

 パーヴェルがリハーサルのためにうちの実家に来たときのことは昨日のことのようによく覚えています。2台ピアノで一緒に「シンデレラ」を弾いた2014年のリサイタルの前日のことでした。今よりずっと会話力が弱かった私は、その前日に札幌入りした彼を迎えるだけでもひどく緊張し、演奏よりもそっちの方が大変な状態…
 しかし、とにかくロシア語で話さなければなりません。パーヴェルはうちに来てしまったのです。
 このとき初めてロシア語で打ち合わせたことは話がトンチンカンになったところもあったりして大変だったのですが、何とか一人でやり通すことができて、自信にはなりました。しかし彼はよく怒らずにつきあってくれたと今でも思っています。

 以来、少しずつでも進歩すれば良いと思ってやってきました。働きながら語学を続けるのはやはり大変なことだし、体力はだんだんなくなっていくのですが、これからも何とか続けていきたいと考えている今日この頃です