ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

春の祭典2

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今月6日の東京、八王子いちょうホールでのデュオリサイタルまでいよいよあと2日となりました。プログラム後半のストラヴィンスキーの「春の祭典」についてもう少し書きます。
非常に難解な曲として知られていますが、最近になってわかってきたことは、曲に対するアプローチを重ねていけばいくほど魅力的になっていく不思議な魔力があるということです。
東京でのリハーサルの帰りの機内でたまたま見つけたのが、80~90年代にパリ、オペラ座で活躍したエトワール(スターダンサー)、マリ=クロード・ピエトラガラが生贄役を演じたリハーサル映像でした。(映像は https://youtu.be/ke58bOaRe8w

インタビュー映像も入っているのですが、その中で特に印象に残ったのは最後の生贄の踊りの場面での振付が非常に制約された動きであるというところでした。制約された動きは逃れられない運命を表すと。確かにバレエで、通常使われるアン・ドゥオール(足先が外向きになっている)の動きではなく、この作品はイン(足先がまっすぐ、または内向き)の動きが中心になっています。
特にこの最後の曲では割り切れない数の変拍子が多いのですが、それを思うようにならない感情と捉えると、何かとても納得してすーっと身体に入って来るのを感じました。

練習すればするほど曲にハマっていくのを感じている今日この頃なのですが、願わくばこの曲を「弾く」のではなく「演じる」ような演奏ができれば良いですね。

当日券も発売の予定です。チケットをまだお求めでない方は直接会場にお越し下さい。
お待ちしています。