ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

ラフマニノフの「詩」

 東京、八王子市でのデュオリサイタル(詳細はこちら)まであと10日余りとなりました。このリサイタルの前半の最後に演奏するのがラフマニノフの「2台のピアノのための組曲 第1番」です。
 「幻想的絵画」という題がついているこの作品は若き日のラフマニノフが作曲家として順風満帆なスタートを切った頃に書かれた作品で、4曲のそれぞれにその情景を表す詩が書かれています。
 この詩の意味や詩の持つリズムが演奏の重要な手がかりになると思った私は、この詩を自分で訳してその訳をプログラムに載せたいと考えました。

 楽譜に書いてある詩の部分をコピーして切り貼りし、読んでみました…1曲目「舟歌」はレールモントフ、2曲目「夜と愛と」はバイロン(露訳)、3曲目の「涙」はチュッチェフ、4曲目の「復活祭」はホミャコーフ、ロシアの詩人の中でもよく登場する詩人ばかりです。当然旧字体もあり、とても難しく、なかなか進みません。
 詩のリズムを体に入れるためにはロシア人の読む朗読の録音が欲しいと思い、ロシア語のプライベートレッスンを申し込みました。

 レッスンは今月の初めに受けました。初めから終わりまでロシア語だけによる説明で行われました。難しかったけどロシアの詩の世界、そしてそこから生まれたラフマニノフの作品をより深く感じることができたように思います。先生のロシア語の説明の一言一言が曲を理解すろためにとても貴重に思え、頭からこぼれ落ちないようにとあとで何度も何度も読み返しました。

 この経験が今度のコンサートに生きることを心から願って、その日までもっともっと繰り返し読みたいと思っています。できれば暗記もしたいです。当日までになんとか頑張ります。