ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

日露首脳会談の通訳

 今年はアメリカのことばかりだったのですが、久しぶりにロシアの話題です。
 
 報道を見た方も多いことと思いますが、先週15、16日にロシアのプーチン大統領が日本を訪問し、日露首脳会談が行われました。
 この会談のロシア側の通訳をつとめていたのは、前在札幌総領事のサープリン氏のご子息でした。雰囲気はサープリン氏に、顔かたちはタチヤーナ・ゲオルギエヴナ(前総領事夫人)によく似ていたのですぐにわかりました。以前サープリン氏が何かのインタビューでご子息がロシア外務省の最高レヴェルの日本語通訳をしていると語っていたのを読んでいましたので、通訳に注目していました。

 サープリン氏は2014年まで長いこと在札幌総領事をつとめられ、私も大変お世話になりました。コンサートにもよく来て下さいました。名だたるクラシック通で、モスクワでレヴェルの高いコンサートをたくさん聴いていたサープリン氏の顔が客席に見えると私はいつも緊張したものです。
 また、夫人のタチヤーナ・ゲオルギエヴナは長いこと私のロシア語の先生でした。初級をやっと終えたばかりの頃からずっと教えて頂き、私が病気でロシア語の勉強を中断していたときも再び勉強を始めるように勧めて下さいました。

 ご子息にも一度だけお会いしたことがあります。確か北海道大学に来ていたとき、タチヤーナ・ゲオルギエヴナがロシア語の授業に一緒に連れてきたように記憶しています。あのときも凄い日本語力だと思いましたが、現在は国を背負って立つ存在(首脳同士はお互いの言語は分からないので通訳にすべてがかかっています)に成長したのですね。今回の2日間ずっと緊張した表情でプーチン大統領の隣にいたのが印象に残っています。これからの彼のより一層の活躍を心から祈っています。