ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

チャイコフスキーコンクール

 今月15日からチャイコフクキーコンクールがいよいよ始まりました。
 昨年の今頃、私はモスクワにいましたので、現地で聴ける方が心から羨ましいです。
 私が学生だった頃は友人がコンクールを受けても、応援に行けないときはただ黙って結果を待つのみでした。しかし、今はほとんどの国際コンクールで演奏者の動画配信をしています。今まであまり動画を見たことがなかったのですが、会場が何度も訪れたことのあるモスクワ音楽院の大ホール(ピアノ部門)なのでついつい見てしまいますし、生徒さんにも勧めています。
 16日から今日まで教室のレッスンがお休みだったので、iPhoneをテレビにつないで(うちはPCとテレビの位置が離れている)たくさん見てしまいました。
 このブログを更新している今もライブでヴァイオリン部門を聴いています。

 特にピアノ部門では、すでに名が通っている人が予備予選で落選したりと波乱もあったのですが、それだけに一次予選に進んだ人たちはピアニストとして立派に完成している人ばかりです。
 一人50分ずつ弾くので、全部完全に聴くのはさすがに不可能でしたが、初日(16日)聴いた中では3番目のSergei Redkin(ロシア)の演奏が特に気に入りました。特に後半のチャイコフスキーが良かった。ロシアの素朴な風景がにじみでてくるような雰囲気に好感が持てました。

 コンクールの予選と言っても聴衆が入り、拍手もあるので、ただ単に弾けるだけではなくてステージに出てきたときから聴衆を惹きつける雰囲気も必要だと思いました。中にはステージマナーに問題のある人も…曲間で拍手が起こっているのに、全く応えようともせずに鍵盤を拭いていたりすると、残念だなと思ってしまいます。

 明日は、4月にチャイコフスキーコンサートホールでパーヴェル・ネルセシアンとプーランクの「2台のピアノのための協奏曲」を共演したミハイル・トゥルパーノフ(当初決まっていたカパチェフスキーが右手の怪我のため降阪した)が、20日には日本からの唯一の出場者、日高志野さんが登場するので、ますます楽しみになりそう…しかし、お休みは今日で終わりなので、聴く時間を取るのは大変になりそうですが、これからますます面白くなりそうなので、できるだけ聴きたいと思っています。
 
 今日は、一日遅れて始まったヴァイオリン部門も聴きました。こちらも唯一の日本人、木嶋真優さんが頑張っています。特にバッハのシャコンヌが良かった。
 まだチェロ部門と声楽部門もあります。楽しみ…他のテレビを見る暇は全くなさそうだけど、ロシア語ニュースだけは何とかやらないと…
 日本のテレビは全く見ていません。浦島化が更に進みそう…