ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

ピアノ選び

 うちの白石教室ではピアノを2台使ってレッスンをしていますが、このうちの右側のピアノを新しく買い替えることになりました。
 このピアノは私が小学生のときに買ってもらったとても古いヤマハのC3です。5,6年前から低音域の音がつぶれてきて、そろそろ寿命かな、と思っていたのですが、その頃ちょうど私自身がいつまでピアノを続けられるかわからないほど体調を崩していたので、何も新しくすることはないと思っているうちに年月がたってしまいました。
 来年の札幌でのリサイタルで2台ピアノの作品を演奏することになり、パートナーとここで合わせをすることになりますので、これは良い機会だと思い、新しいピアノを探すことにしました。

 私が子どものころからずっとうちの調律をお願いしているH氏に相談すると、新しいピアノがこの部屋になじむためにはある程度の時間がかかるので、2台ピアノの合わせをしたいなら早い方が良いと言われました。その上 来年4月には消費税が上がりますし、円安で輸入ピアノが値上がりするという話も聞きました。
 パートナーとの合わせが迫る中、レッスンと自分の練習の合間を見つけて、あちこちに試弾に出かけました。
 ピアノは1台ずつ音色も性格も違います。試弾は非常な集中力と細かい神経が必要です。ヘトヘトになって帰る日が続きました。

 こうして何台か試弾するうちに、自分の中で2台に絞れてきました。ボストンのGP193とSK(シゲルカワイ)の5型です。
 SKは初め考えていなかったのですが、11月末にカワイ札幌店でSKの全機種がそろうので試弾に来ませんか、と誘われて行ってみたのですが、大きい6型や7型よりも気に入ったのが5型でした。

 ここから大変迷いました。SKの音も忘れられなかったのですが、最終的にボストンに決めました。教室にあるもう1台が同じボストンGP193なので、2台合わせをするなら同じメーカーの方が良いのではないかというのが、主な決め手になったのですが、SKは奥行が200センチでうちのレッスン室には少し大きめだったこともありました。

 今週の火曜日に契約を済ませると全身の力が抜けました。

 搬入は今月29日の予定です。白石教室の生徒さんは新年から新しいピアノでのレッスンになります。

 いろいろあって大変な日々でしたが、落ち着くところに落ち着いたという感じです。

 小学生のときから自分を支えてくれたピアノとの別れはやはり寂しいのですが、ほんの少し楽しみになってきました…