ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

新たな夢

 明日から12月、今年はとにかく8月のリサイタルに向けてすべてが動いていた気がします。
 パーヴェル(ネルセシアン)という世界第一級のピアニストとプロコフィエフの「シンデレラ」を2台ピアノで共演することは、数年来の私の夢でした。ピアノの面でもピアノ以外の面でも大変なことが多かったのですが、一つの夢がかなったことは本当に幸せなことだったと思います。
 しかし、夢がかなってしまったあと私は燃え尽きてしまい(自分の限界まで力をふり絞ってしまった…)、その後長いこと心身の不調に悩まされることとなりました。昨日の全道ロシア語弁論大会もあのリサイタルをテーマに出場するつもりでいましたが、結局出ることができませんでした。あの舞台の上で私は幸せ過ぎたのか、その反動も大きかった気がします。
 目標がないと全くテンションの上がらない私は、新たな目標を探し続けて日々格闘していました。

 リサイタルのあと、聴きに来て下さった何人かのピアニストの方に札幌で彼のレッスンを受けることができないかという問い合わせを頂きました。このブログで私が何度か彼のレッスンについて書いたことを読んで下さったり、リサイタルを聴いて下さった方からそのような問い合わせを頂くことは、大変嬉しく、いろいろ大変なことがあったけどあきらめなくてよかったと心の底から思いました。
 リサイタル前日に2台ピアノの合わせをしたとき、彼は実家(白石教室)のピアノをとても気に入ってくれたようでした。ここはレッスンに充分なスペースもあるし、ここで彼のレッスンができたらどんなに素晴らしいだろうと思いました。

 しかし、そのためにはビザのことをもっともっと知らなければなりません。リサイタルのときに一番大変だったのが彼のビザのことだったので(ロシア語のビザ用語まで覚えました)、もうビザのことは考えるのも辛くてしばらくお休みしていました。
 来年、彼が北海道に来るという話はあるようです。その後この話がどうなったかはまだ聞いていないのですが、そのときに可能性があるかも知れません。ただビザのことをきちんと把握しておかなくてはなりません。
 
 来年の彼は浜松国際コンクールの審査員も決まっており、今年にも増して忙しいようです。
 果たしてレッスンが実現するかどうかはわかりませんが、とりあえず近いうちに動いてみようと思っています。
 もし実現できたら、去年から今年にかけて私が苦しんで習得したビザの知識も生きてくるのではないかと思えるのです。