ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

出発前夜

 ついにパーヴェル・ネルセシアンのマスタークラスを受けに東京へ出発する日が明日に迫りました。今日はレッスンがお休みだったので、家でゆっくり疲れた体を休め、明日の用意をしています。

 彼のマスタークラスを受けたいと最初に思ったのは、昨年9月 モスクワのチャイコフスキーコンサートホールで2台のピアノのためのコンチェルトを聴いたときでした。そして 10月の札幌でのリサイタルのあと彼に連絡したところ、すぐに今回お世話になる八王子のマスタークラスの主催者に連絡をとり、私を入れてくれるように頼んでくれました。メールを出してから丸一日ですべてが決まってしまったのです。

 とにかく できるだけのことはしよう…

 そう思って準備をしてきましたが、2月末に椎間板ヘルニアになって一時期歩けなくなったときはもうダメかと何度も思いました。
 気の遠くなるようなリハビリの日々を経て腰も何とか回復し、普通に歩けるようになりましたが、また痛くなるのではないかという恐怖感は今もまだ続いています。

 楽譜などの大事なものを除いて荷物はすべて宅配便で送りました。今回は滞在が長いので、東京に入ってからも腰に負担をかけないように神経を使わなくてはなりません。しかも暑いのでコンディション維持も大変そう…

 そして ロシア語…この4か月間私のロシア語をみてくれたデニスには本当に感謝しています。あれだけハイレヴェルな日本語力の持ち主であれば(彼が日本語を話すのを聞いたのは最初の1回だけですが)、日本語で説明する方が楽だっただろうと思うのですが、彼は 文法用語に至るまで一言も日本語を使わず、徹底して私がロシア語で考えて、ロシア語でわかるように授業をしてくれました。おかげで自分でも驚くほど滑らかにロシア語が出てくるようになりました。
 このマスタークラスのあともデニスのところに通いたいということはすでに話してあります。

 パーヴェルは11日から「ロシアン ピアノスクール」(カワイ表参道 18日まで)で毎日レッスンをしています。17、18日は聴講する予定でチケットを頼んであるので、17日には10か月ぶりに彼に会えるでしょう。
 
 今までずっと緊張してきましたが、ほんの少し楽しみになってきました。