ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

ダブルパンチのあと…

 前回書いたパーヴェル・ネルセシアンのリサイタルのあと 私には難題が待ち構えていました。

 コンサート後の懇親会でロシア語と日本語で挨拶をすること…

 開演前にいきなり言われ、予定していた夕飯の時間は吹っ飛んでしまいました。

 辞書を持って来ておいてよかった…
 開演までの20分で必死で考えて、休憩時間に何とか暗記…ドキドキしながら懇親会へ…

 初めの方で指名され、練習不足で迎える本番のような心境で ロシア語と日本語をかわりばんこに繰り返す…

 とそのとき…

 パーヴェルが絶妙なタイミングで合いの手を入れてくれました…それに答えた途端 覚えていたものを全部忘れてしまったのです…そして…猛烈な胃の痛みが襲ってきました。
 あわてた私は そのあとに言うべき言葉を全部はぶいて「釧路と帯広のコンサートの成功を心から願っています」と言って辛うじて挨拶を締めくくりました。
 この尻切れトンボの挨拶に対し 隣にすわっていたパーヴェルは「アグロームナヤ スパシーバ!」と最大級の謝意を示してくれました。

 彼と話をしていたときは忘れていたのだが…

 とりあえず母を実家に送り、家に向かって運転していると胃の痛みは耐え難いものになってきました。

 ようやく家にたどり着き、痛み止めを飲んで横になる…

 とにかく…痛い…どうしてこんなことになってしまったのだろう…

 4日過ぎた今日 痛みは治まりましたが、何とも気持ちが悪い…来週は東京へ行くのにどうしよう…

 いつもこういうことを繰り返しているような気がするのだけど…こういう思いをしないと語学は上達しないのかも…
 たとえ胃痙攣を起こしても私はパーヴェルと直接話せる方が良い…