ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

卒業式の伴奏

 今年、うちの教室では卒業式の歌の伴奏に5人の生徒さんが選ばれました。昔、私も弾いた記憶がありますが、今も昔も卒業式の伴奏はモチベーションが高まるものです。最近はオーディションを行なって、上手な人に決める学校もありますから、そこで選ばれた場合は喜びもひとしおで「頑張ろう」という気持ちになりますよね。
 
 5人のうち4人は教室の発表会(3月21日)にも出るのですが、何と今年は札幌市の公立小学校の卒業式は発表会の前の日なのです。オーディションに通った人はすでに出来上がっていますが、12月ごろに決まって頼まれた人はちょうど発表会の曲と重なって、2曲を同時に仕上げなければなりません。皆、レッスンに両方の曲を持って来て必死でやっています。
 
 ある小学校では送り出す側の5年生の歌と送られる6年生の歌の両方の伴奏をうちの生徒さんが担当します。
 レッスンで5年生の伴奏者が弾くのを見ていてふと思い出しました。3、4年前まで彼は練習が嫌で、いつもピアノの椅子を蹴っていました。それがいつからか「この曲とてもいい曲だね」と言うようになり、レッスンにのめり込むようになりました。4年生からは伴奏を頼まれるようになり、こちらがとても無理だと思う曲を何とかかんとか仕上げるようになりました。今回の5人の中で彼の弾く曲が一番難しいのですが、これができたら演奏の方も精神的なものも力ががつくだろうと思っています。

 みんな頑張って、この卒業式が大人になってからも良い思い出として残るようになって欲しいです。