9月17日のコンサート「ロシア音楽の歴史をたずねて」の第3回目はラフマニノフ以降、現代までの作曲家の作品をお届けする予定ですが、今回どうしても入れたいと思っているのがシチェドリンの「アンナ・カレーニナ」のプロローグ(ミハイル・プレトニョフによるピアノソロ用編曲)です。
ロディオン・シチェドリン(1932ー)は第二次世界大戦中から21世紀まで長年にわたって活躍したロシアの偉大なバレリーナ、マイヤ・プリセツカヤ(1925-2015)の夫君で、彼が作曲をし、彼女が踊るという作品を多く発表しました。ロシア文学を題材にしたものは「アンナ・カレーニナ」の他に「かもめ」「子犬を連れた奥さん」などがあります。
題材は非常に有名で、プリセツカヤの名前もよく知られているのに、シチェドリンの名前は、日本ではロシア音楽に詳しい人以外はあまり知られていないように思います。
題材は非常に有名で、プリセツカヤの名前もよく知られているのに、シチェドリンの名前は、日本ではロシア音楽に詳しい人以外はあまり知られていないように思います。
作曲家だけではなく、モスクワ音楽院、フリエール門下の高名なピアニストでもあります。日本人の生徒も数多く学んでいるモスクワ音楽院のヴェーラ・ゴルノスタエヴァとショパンのエチュードとマズルカについて話している動画がこちら です。
そんな彼の作品の中でちょうどプレトニョフの編曲したピアノソロ版がある「アンナ・カレーニナ」と取り上げてみることにしました。「アンナ・カレーニナ」は有名なので、その作品がバレエになったらどのようになるのか、という視点で解説をつけたら、ロシア音楽を初めて聴く方にも分かりやすいのではないかと思いました。彼の作品を弾くのはもちろん初めてです。
早速楽譜を探しましたがすぐには手に入らず海外発注で、ようやく届いたのは7月の終わり…
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初めは非常に難解でした。夫人のプリセツカヤに比べて日本で一般的に名前があまり知られなかったのは、多分この難解さゆえかも知れません。調性はほとんどなく、何度も聴いて、弾いてを繰り返さないと覚えられません。しかし、取り組んでいるうちにこの曲の持つ深い官能性、運命の残酷さなどを感じられて、はまり込んでいきました。
これは、絶対良いものにしたい…お近くの方、ぜひ9月17日に、カワイ札幌Chouchouにお越しください。
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