ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

パーヴェル・ネルセシアン ピアノリサイタル(8月12日、カワイ表参道パウゼ)

 毎夏恒例のカワイの「ロシアン ピアノスクール」の講師模範演奏として行われた今回のプログラムは、
    
    バーバー: 遠足 作品20
    プロコフィエフ: 「ロメオとジュリエット」からの10の小品 作品75
 
 バーバーは初めて聴く作品でしたが、ジャズのリズムが取り入れられた作品、最近さらに洗練されたと思われる彼のリズム感が光って、聴いていてワクワクする大変魅力がある演奏になっていました。
 そして、プロコフィエフの「ロメオのジュリエット」、私が初めて彼のレッスンを受けたとき弾いたのがこの曲でした。このときのレッスンが忘れがたく、2014年の私の札幌でのリサイタルのときに2台ピアノのパートナーを頼むことになったのですが、その曲を彼がどのように弾くのか非常に興味がありました。
 予想どおり圧巻でした。彼の卓越したリズム感とバレエに対する深い知識がここでも遺憾なく発揮され、1曲1曲バレエの場面が浮かんできて胸がときめきました。初めて彼にレッスンを受けた日のことも鮮やかに思い出されました。音色の色彩はさらに豊かになり、表現はさらに自在になり、まさにピアノで奏でるバレエの世界がそこに広がっていました。

 ただ、プログラムには、
    プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」からの10の小品 作品75、
としか書いていなかったのですが、バレエ全幕の曲順とこの小品集の曲順は異なるし、1曲ずつ曲名とその曲がバレエのどんな場面なのかの解説を載せた方が、この作品を初めて聴く人にもわかりやすいですね。10月の日本ユーラシア協会の60周年記念の彼のコンサートツアーのときにもこの曲が入りますので、細かい曲順と解説をプログラムに載せることによって彼の演奏をより多くの人が一層楽しめるようになると思います。
 
 10月のコンサートツアーがますます楽しみになってきました。(詳細はこちらをごらん下さい)

 彼のロメジュリにすっかりノックアウトされた私はその晩なかなか寝つかれず、翌朝ひどい寝不足…もう一度寝ようとしたのですが、日が昇ってくると暑くて眠れず、朦朧としたまま一日を過ごすことになってしまいました…