ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

ピティナ ピアノステップ

 札幌では今年度初めてのピティナピアノステップが今週末22日(日)、KITARAの大リハーサル室にて開催されます。
 うちの教室では毎年3月に発表会を開いていますが、「発表会以外でも弾く場が欲しい」「6月のピティナコンペのために出たい」などの目的のために、最近は必ず出場する人がいます。
 教室の中だけではなく、他の教室の生徒さんの演奏を聴き、他の先生からコメントを頂くことは、教室の発表会とはまた違った刺激になるようです。
 今回出場する人は今週が本番前最終週です。やはり皆、緊張感が伝わってきます。

 私は本番で演奏することは自分と向き合うこと、舞台上では普段の自分が出るものだと思っていますので、発表会でもコンクールでもステップでも何ら変わることはないと考えています。まずしっかり自分の心と向き合って、自分が練習を積み重ねてきたことを舞台で率直に表現すること、これはどんな場所で弾くときも、長いプログラムのときも1曲だけ弾くときも変わることはありません。
 ただ、緊張感でテクニック的なことに不安が出てきてしまうこともありますので、そのために今週は今どういう練習をしたら良いかということを中心に指導しています。

 いつもこの時期になると言っているのですが、緊張を止めることは無理です。そんなところに無駄な労力を使うより、緊張しても弾けるように練習しようと思う方がずっと気持ちも前向きになります。それでも、私もそうですが、あれこれ余計なことを考えてしまいます。あとは精神力で乗り切ることです。そして、精神力は誰でも鍛えればどんどん強くなるものなのです。

 人間の心は目に見えないものだけに自分ではどうしようもできないものですが、今週末、出場者全員が今までの練習の成果を発揮できる演奏になることを心から願っています。
 怖い思いをして舞台に上がり、終わった後も反省がたくさん出ることで、皆もう何歩も前に進んでいるのです。