ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

発表会1週間前

 今日からいよいよ発表会前の最終レッスンに入りました。今週 白石、藤野の両教室ではグランドピアノの大屋根を開けてレッスンをします。黒い大きな蓋が開いていると相当な威圧感があるようで、慣れない方はいつもと違う雰囲気に緊張してしまうようです。ペダルを踏む感覚をつかむために当日履く靴を持ってくる方もいます。皆 この雰囲気に慣れなくてはならないと必死なのが伝わってきます。

 この時期になるとまず曲を最後まで通してレッスンで弾いてみます。指ならしをしない状態でどこまでできるかやってみて、それぞれ自分の弱いところを見つけます。そのあと楽譜を見ながら細かくチェックします。これは私自身が演奏するときにも取り入れている方法です。出来ないところで止まって弾き直すという練習だけをずっと続けていた方は、通して弾いてみると意外と出来ないと思う方も多いようです。ここで必要なのは曲を最後まで弾き続ける集中力ですが、これは訓練によって身についてきます。

 ダメ出しをするこちらも 生徒さんが1週間ではとうていクリアできない課題を出したり、折角仕上げてきた曲が崩れてしまうような注意は避けるように気を使います。レッスン室でできなかったことが舞台で突然できるということはまず100パーセントありえません。レッスンで確実にできるようにして舞台に乗せなければなりません。

 22名の出演者の方達はそれぞれ確実に進歩してきたと思います。全員が失敗なく終われますようにと祈る毎日なのです。