ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

マズルカ

 教室では今、来年3月21日の発表会に向けて出演者の皆さんの曲が続々と決まっていますが、実は私自身もこの日何を弾くかあれこれ試行錯誤しているところです。
 今年3月は怪我のため直前に自分の演奏をすべてキャンセルすることになってしまいました。楽しみにしていて下さった皆さんには本当に申し訳なかったと思います。それだけに次回は小さい生徒さんから大人の方、また聴きに来て下さる家族の方まで皆が興味をもって聴けるようなプログラムを考えなくては、と思っています。

 今年手を怪我したことにより、自分の左手のテクニックを見直す機会を得たので一曲は左手の作品を入れたいと考えています。右手を全く使わなくてもこんなに魅力的な作品があるということを皆さんに知って欲しいと思いました。
 そして、その他に今回は挑戦してみようと考えているのがマズルカです。
 
 先日のショパンコンクールでいろいろなコンテスタント達のマズルカを聴きました。
 マズルカポーランドの民族舞踊の一つです。祖国ポーランドの革命によって国外に逃れたまま、二度と祖国に帰ることなく生涯を終えたショパンは、本当にたくさんのマズルカを残しています。そして、民族舞踊の多くがそうであるように、親から子へ、子から孫へと伝えられた踊りは独特のリズムを持っていて、外の人間には極めてつかみにくく、演奏も難しいことが多いようです。
 私も初めてマズルカに取り組んだときはそのリズムに苦労しました。バレエをずっとやっているので、バレエの先生に聞いてみたりして自分で踊ることもかなりやったのですが、幼いときから自分の体にしみついている踊りのリズムではないわけで、考えれば考えるほどこの踊りのリズムをどう演奏の反映させていくかわからなくなり、ここ10年以上全く弾いていませんでした。

 ショパンコンクールを聴いて、もう一度マズルカをやってみたいと思ったのです。ただ、コンクールであまりにもたくさんのショパンマズルカを聴いてしまったので、誰か他の作曲家のものが良いかな、と考えています。
 出演者の皆さんと一緒に私も来年3月に向けて頑張って行きたいと思います。