ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

ショパンコンクール

 すみません。実はショパンコンクールに夢中になっていてこのブログの更新をさぼっておりました…

 

 世界第一級のピアノコンクールとして名高いショパン国際ピアノコンクールが、ポーランドワルシャワで開かれています。現在第3次予選が終了し、日本人2名を含む12名のファイナリストが選出されました。明日から3日間にわたってファイナルが行われる予定です。

 世界中から才能豊かな若いピアニストが集まるこのコンクールはピアノ界のみならず多方面から多くの注目が集まります。参加者の演奏はすぐその場でライブ配信されますので、私も毎晩夢中になってライブに聴き入り、どうしても寝不足になってしまっています(ワルシャワのある時間帯は日本時間マイナス7時間)。

 

 印象に残ったピアニストはあまりにたくさんいて、誰のことから書いてよいのか大いに迷うところですが、まず日本人ファイナリストから。

 反田恭平さんは1次を聴いたときからこの人は通ると思いました。音がとても豊かでどの曲も充分に練り上げられ、余裕が感じられました。私が一番印象に残ったのは3次予選の「ソナタ第2番」、配信を見ているとふてぶてしく見えるほど落ち着いていると思ったのですが、ご本人のツイッターによると3次終了後涙が止まらなかったのだそうです。

 小林愛実さんはやはり3次の「24のプレリュード」が素晴らしかったですね。前回のコンクール(2015年)でファイナルに残っていて入賞を逃してから6年、一曲一曲が丁寧に磨かれた宝石のように感じられました。今回は入賞して欲しいものです。

 

 あと私が好きだったのは沢田蒼梧さん、この人は音のクリアさがとても印象に残ったのですが、特に1次での「エチュード 作品25-6」が大変に美しかった。医大生ということでも話題になっていましたが、ここまでピアノを極めた人は何科の医師を目指すのでしょうか?

 進藤実優さんの全身で曲に浸っているのが感じられる演奏もとても好きでした。若くしてロシアに留学し、あの強烈なレッスンの中に身を置いていたことがよくわかる演奏だったと思います。ちょうど私がコロナワクチン接種を受けて寝込んでいたときにピティナコンペティションの特級の2次予選をやっていて、うつらうつらしながら聞いていたときにはっと耳に止まったのが彼女でした。この人がファイナルに進めなかったのはとても意外だったのですが…

 

 今回の参加者の方はコンクールの尋常でない緊張の上に、コロナ禍もあり、さぞかし大変な思いをされたことと思います。私自身コロナ禍が始まってからどうピアノと向き合ったら良いのかわからず悶々とした日々を送っていましたが、このコンクールでたくさんの元気を頂きました。

 日本からも多くの方が行っていたようでしたね…私も行きたかったな…

 

 今回はとても忙しく、なかなか全員の演奏を聴くことができないのですが、私自身いろいろ新たな発見がたくさんあります。実は今月控えている動画の収録では、ショパンマズルカが入っているのです。今回いろいろな方のマズルカを聴くことができてとても幸運だったと思います。

 

 海外勢については次回に書きますね…(そのときには最終結果が出ているかも知れません)