ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

マズルカステップ

 来月12日のリサイタルの第1部は「いろいろな舞曲たち」と題して、普段コンサートなどでよく耳にする舞曲を集めてみました。踊りと音楽の出会いを皆様に感じて頂ければ、と思い、準備を進めています。

 ワルツ、マズルカポルカ、ガヴォット…これらの曲は皆リズムが命で、それぞれの曲のリズム感の違いを際立たせることはとても大切で、そして難しいものでした。

 その中で最もリズムが難しいのがマズルカでした。マズルカポーランドが発祥の地と言われる3拍子の舞曲ですが、同じ3拍子のワルツに比べると第2拍または第3拍にアクセントが置かれるリズムに特徴があり、このリズムがうまくいきませんでした。一昨年のショパンコンクールでもマズルカ賞はポーランドのピアニストだったので、やはり生まれたときからこのリズムが身体に入っていない外国人には難しいものなのでしょうか…

 

 考えあぐねていてもしょうがないと思い、先日復帰したばかりのバレエの個人レッスンのときに先生に相談してみると、次のレッスンでマズルカステップを少しやってみましょうということになりました。

 数多くの舞台を踏んできたバレエの先生(私より2才年上)は、長年の経験から得た知識が豊富で、そして何よりも日本人でありながら外国の踊りを苦労して勉強してきた実績があります。

 復帰したばかりの自分にできるかどうか不安でしたが、思い切ってお願いすることにしました。

 そして、先週16日、バレエ「コッペリア」のマズルカに合わせて最も基本的なステップに挑戦してみました…

 特徴的なのは、身体が上に大きく跳ね上がるよりも、低いところで同じ姿勢を保ったまま細かいステップが続くようです。上体や目線の使い方もバレエとはかなり違います。

 そしてこの日私が悟ったのは、アクセントが2拍目、3拍目にあっても1拍目を急いではいけないということ。1拍目を急ぐとステップを踏み出せません。今まで2拍目、3拍目ばかりを気にして1拍めをおろそかにしていたように思いました。

 

 普段使っていない筋肉をたっぷり使い、翌日筋肉痛ということになりましたが、私にとってこの体験は貴重なものになりました。

 リサイタル当日にこの体験が生きるように努力していきます。

 

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Concert - Yumiko Nakazoe, Website (yumiko-nakazoe.com)