ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

闘いのあと

 帰国の翌日、25日から教室のレッスンが始まっています。やはり、教室のみんなの顔を見るとほっとします。初日はさすがに少し日本語が出づらかったですが、意外に早く元に戻りました。
 毎回、帰国後のこの時期は、ロシアで強烈な体験をしてきた後なので、気持ちを鎮めて前向きにすることにエネルギーが要ります。きちんと身体と心を休ませて、8月のリサイタルに向けて良い状態になれるようにしなければなりません。
 今日、ようやく成田から届いたトランクをすべて片付けました。

 不思議なことに、日本に帰って来てからロシア語で夢を見るようになりました。向こうでは日本語に飢えていたのかずっと夢は日本語でした。帰ってきてから夢がロシア語になるなんて、人間の心の奥というのは本当にわからないものですよね。

 リサイタルで2台ピアノのパートナーをつとめてくれるパーヴェル(ネルセシアン)と今度会うのは8月ですから、ロシア語力も落とさないようにしなければなりません。
 帰国の翌日からまたNHK-BSのロシア語ニュースを聴き始めました。さすがに信じられないほどよくわかります。日本語のない世界で一週間奮闘した結果は見事に出たわけです。
 来週末は、札幌大学ロシア語科の「詩のつどい」に出させて頂き、リサイタル前半に弾くチャイコフスキーの「四季」の詩を全編暗唱することになっています。さすがに向こうではできなかったので、これからラストスパートです。

 失敗がひとつ…皆様へのお土産にロシアのチョコレートをたくさん買ったのですが、成田で疲れ果てていた私は、この暑さの中でうっかりチョコレートをすべて冷蔵も何もせずに宅配で送ってしまったのです。
 しまった、と思ったのは家に帰り着いてから。2日後、届いたチョコレートは無残に溶けていて、とても人様に差し上げられないものも出てしまいました…
 ということで今回お土産はずいぶん少なくなってしまいました。すみません…

 いろいろ吸収してきたものをきちんと整理して、8月に向けて頑張ります。