ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

時計

 昨日 3年ぶりで自分のレッスンへ行きました。本来なら復帰コンサートの前に行くべきだったのですが、ぎゅうぎゅう詰めの東京でのスケジュールで、2台ピアノの合わせとレッスンに両方行く体力はまだなかったので、今まで延びてしまっていました。

 懐かしいレッスン室…ここに再び戻って来る日がくるとは 2年前は考えることもできませんでした。

 昔 さんざん怒られていたピアノの前に座ろうとすると…ピアノの上にある時計が目に入りました。

 その時計は21年前 私がクロイツァー記念賞を受賞したときの賞金で先生に贈ったものでした。先生はその時計を一番見えるところに飾って下さり、21年間 同じところで時を刻んできたのです。

 不思議なことに 体調を崩してレッスンに行けなかった間 私は一度もこの時計のことを思い出したことがありませんでした。

 それだけにこの時計を見たとき 今までの空白が一気にうめられたような気持ちになりました。

 レッスンでは…基礎をみっちり直され、今までの苦労が嘘のように楽に弾けるようになりました。

 やっぱり来てよかったですね…これからは定期的に通う予定でいます。