ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

姪のバレエ 2009年晩秋

 今年の夏のコンクールが終わってからも 引き続き頑張っているようです。
 先月はとうとうインフルエンザになってしまったのですが、稽古を休んだのは1日だけだったそうです。(他の人 大丈夫だったのかねえ…)
 私の妹(姪の母親)が送ってくれたコンクールの写真を見ると、トゥシューズの立ち方もしっかりしてきていろいろなテクニックが身についてきたのがわかりました。
 育ち盛りの年齢(小学校4年生)でもあり、本人が非常に太ることを警戒しているので、妹は栄養不足にならないように神経を使って食事の用意をしているようです。

 昨年 彼女はバレエの教室を変わりました。
 理由はいろいろあったようなのですが、一番大きかったことは 以前の教室の先生がことあるごとに彼女に「あなたは体が柔らかすぎるからダメ」というようなことを言っていたことだったようです。(つまりポーズがしかるところできちんと決まらない)
 姪がいつも落ち込んで泣いているのを見た妹は 先生を変えてみたらどうかと考えたようでした。そして お友達のお母さんから紹介された別の教室に体験レッスンに連れて行ったそうです。
 日本有数のバレエ団の教師を務めるその先生の教室のレッスンは大変厳しく、一緒に体験レッスンに行った子は泣いてしまったそうですが、先生はたった一回の体験レッスンで彼女の良いところを見つけて的確なアドヴァイスを下さったようです。
 彼女は自分で「この教室でやって行く」と決めました。

 教えに携わる者にとって 心にズシンとくる話でした。レッスンをする以上 厳しい言葉もときには必要ですが、やはり 奮起できないほどに生徒さんを落ち込ませる言葉はご法度でしょう。その人の良いところを指摘しながら欠点を改善できるような指導ができるのが理想なのですよね。

 以来 彼女はレッスンが厳しくてつらいとはただの一度も言ったことはありません。教室を移って3ヵ月後にはトゥシューズが履けるようになり、半年後にはコンクールに挑戦できるまでになりました。

 教える先生によってここまで変わってしまう…教えに携わるものはこのことを肝に銘じて指導に当たらなければならないと改めて思い知らされた今回の姪の話でした。