ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

PMFオーケストラピクニックコンサート

 私の住む札幌市では 毎年PMF(パシフィック ミュージック フェスティバル)のときに世界中から集まった優秀な若い演奏家達によるオーケストラのコンサートがあります。
 今年の音楽監督は クリストフ エッシェンバッハ氏、プログラムはマーラー交響曲第2番「復活」、私の母が合唱で出演していたので、藤野の叔母も誘って家族みんなで出かけました。今日は「ピクニックコンサート」といって 札幌芸術の森札幌市南区)の野外ステージの自然の中でのコンサート。北海道の短い夏を満喫するにはもってこいの場所です。

 コンサートの前に 同じ芸術の森の美術館で行なわれていた「クリムト、シーレとウィーン世紀末展」へ。グスタフ クリムトの絵では「ダナエ」とか「接吻」が好きで一度見てみたかったのです。残念ながらこの2点は来ていなかったのですが、「愛」「パラス アテナ」などに特に惹きこまれました。私は19世紀後半から20世紀前半のウィーンの歴史をあまり知らなかったのですが、今まで多く見てきたロシアのものとはまた違う世界はとても新鮮に映りました。

 さて いよいよコンサートへ。合唱で出演する母は 連日のエッシェンバッハ氏の猛烈なリハーサルを経て今日が本番2日目。大変ハードな日々だったようですが、世界第一級の方の音楽のオーラに引っ張られ とても充実していたようです。
 オーケストラのメンバーが登場してふっと見ると、コンサートマスターの席に2004年にリサイタルで共演したウィーン フィルのコンサートマスター、ヴェルナー ヒンク氏の姿が。PMFの教授陣の一人として札幌に来ていたのです。あのときの充実感を思い出しました。一流の人の音楽の吸引力の凄かったことを…
 ウィーンの教授陣が加わったコンサートはさすがに素晴らしいの一言。母が今回味わった充実感がよくわかりました。

 それにしても ウィーン世紀末の絵画を見たその日にヒンク氏と再会することになるなんて…このところずっとロシアに夢中で、ウィーンのものからは遠ざかっていました。
 
 私は もっといろいろなところのものを知る必要があるのだろう…