ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

PMFピクニックコンサート

芸術の森の野外ステージで行われたPMFピクニックコンサートに行ってきました。
札幌の夏の風物詩となったPMFは、世界中から才能ある若い音楽家と著名な教授陣が集まって行うマスタークラスで、各地で教授陣や受講生のコンサートも開かれます。
その総仕上げとも言えるコンサートが芸術監督であるワレリー ゲルギエフが指揮する4日間のコンサートです。昨日のピクニックコンサートはその2日目になります。
(詳しいプログラムはこちら[http://www.pmf.or.jp/jp/schedule/2016/picnic.html]

予想通り芸術の森の駐車場が激コミで聴けなかったのだけど、最初のファンファーレに続いて千歳ジュニアオーケストラの演奏がありました。私達が着いたとき、演奏を終えたオーケストラの子供達が客席にたくさんいました。彼らにはPMFの教授に指導を受けたり、PMFオーケストラとゲルギエフのリハーサルを見学する機会があったそうです。一番吸収力のある子供のときに世界第一級の演奏家の音楽に触れて、彼らには大いに刺激になり、忘れがたい印象が残ったことと思います。この中から未来のPMFオーケストラの受講生が生まれることでしょう。
私達が聴いたのは第一部のPMFオーケストラメンバーの室内楽から。若さとバイタリティー溢れる演奏は聴いていてとても爽やかな気持ちになります。

途中昼食で一度出た後、いよいよゲルギエフ様の登場…やはりこの人が出てくると舞台の雰囲気が変わります。このときはPMFの受講生だけではなく、教授陣もオーケストラに加わりました。コンサートマスターなどの大切なポジションは受講生がつとめ、教授陣はサイドでしっかりサポートしていたようです。
コンサートが進むにしたがってオーケストラメンバーのテンションも上がり、特に最後のショスタコーヴィチが圧巻、一カ月徹底した指導を受け、最後にゲルギエフの指揮でこのような経験ができた彼らは世界観が変わるほどいろいろなものを吸収したのではないでしょうか。
明日の東京公演を最後に彼らはそれぞれの国に帰って行くのだけど、彼らのこれからの音楽家としての道が更に開けて行くことを心から願っています。

このピクニックコンサートは夏休み気分を味わいながら一流の音楽を聴くことができるので、とても気に入っています。今年の私の夏休みは多分この一日だけなのだけど、しっかりリフレッシュできました。