ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

名前と父称

 少しでもロシア語やロシア文学に触れた方はご存知だと思いますが、ロシア人の名前は必ず 名前(ファーストネーム)と苗字の間に「父称」といわれる父親の名前を変化させて作るミドルネームがあります。日本では省略されることも多いのですが、ロシア人の目上の方をお呼びするときには欠かせないのがこの父称なのです。

 基本的にはロシア語には「○○先生」という呼び方はなく、名前+父称で呼ぶのが正式です。私も含めた多くの日本人にとって少々慣れるのがタイヘン…何しろロシアの名前は長いものが多い…でも 同じ名前を持つ方の場合、父称で区別していることが多いんですね。

 私のまわりにいるロシアの方の場合
 ピアノの先生は タチヤーナ ニコラエヴナ(父親の名前はニコライ)
 ロシア語の先生は タチヤーナ ゲオルギエヴナ(父親の名前はゲオルギー)

 うーん!難しい…

 最近はさすがに名前と父称をすぐ覚えられるようになりましたが、以前は間違えたり 名前と父称を反対にしてしまったりという失礼な失敗を何度もしました…(冷や汗)

 現在の在札幌ロシア連邦総領事 サープリン氏は「ワシーリー イワーノヴィチ」ですが、以前私はよくどちらが名前だったかわからなくなり、すんでのところ「イワン ワシーリエヴィチ」と言いそうになってしまったことがあります。
 幸い 言う前に気がついたのでよかったのですが、家に帰ってよーく考えてみると「イワン ワシーリエヴィチ」って何かどっかできいたことがある…

 あーっ!イワン雷帝

 これは言ってしまわなくてよかったんでしょうねえ…