ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

2023年発表会に向けて2

 新しい年が明けて、教室のレッスンに臨む気持ちも改まります。年が明けるといよいよ発表会に向けて本格的な準備に入っていきます。

 人前で演奏するとき、ソロでも2台ピアノ作品でもまずテクニックの弱いところを徹底的に見直して不安がないようにしていくことがやはり基本になります。ある箇所が「できるか、できないか」という状態で本番に臨むとほぼ100パーセント失敗します。「これで完璧」というところまで到達するのは非常に難しいことですが、ギリギリのときまでそれを目指していくことが必要だと思います。

 

 最近ゆっくり練習することの大切さを前にも増して感じています。やはり本番が近くなってくると、特に長期間同じ曲を練習している人は勢いだけで速く弾いてしまう危険性があります。こういうときこそ楽譜の細かいところまできちんと見直す練習が不可欠だと思えます(自分の練習についても同じですね…)。

 

 出演者の生徒さん一人一人習熟度も手の形をはじめとする身体の作りも違います。それぞれに最も合った指導ができるように、いろいろな演奏家の録音を聴いたり、公開レッスンの動画を見てその方法が誰かのレッスンで使えるか考えたり…こちらも試行錯誤が続きます。

 

 また、ピアノ協奏曲、2台ピアノ作品に取り組む人は自分のパートだけではなく、間奏や相手のパートの出方などを覚えなければなりません。できるだけ初期の頃からこちらのパートも弾いて、合わせることの楽しさを感じられるようにレッスンを進めていきたいと考えています。