ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

春の大雪

 「今年は雪が少なくてよかったね」

 札幌市の南半分の人達は2月まではそう言っていたでしょう。今年の雪雲は札幌市北半分から石狩、岩見沢方面にかかることが多く、南半分は本当に雪が少なく、運転が楽だと私も思っていました。

 しかし、そんなのんびりした気分は3月に入って一気にひっくり返されました。

 

 月が変わって3月1日、翌日はお天気が荒れるという予報が盛んに報道されていました。家の前の除雪に気を使う時間はもうなかったので、私はその晩灯油の残量を確かめ、ずっとロードヒーティングが入るように設定して寝ました。

 翌2日朝、起きてみると…雪はガンガン降っていましたが、家の前はすべて溶けていました。文明の利器の威力はやはり凄いものです。

 

 しかしここで一安心したのが迂闊でした。もしかして道路がひどいかも知れないと思い、ガソリンを入れて通常より1時間早く出発したのですが、雪の勢いは予想をはるかに上回るものでした。路面は全く見えず、デコボコ…車が前後左右に揺れます…当然、道路はどこも大渋滞…自宅から白石教室までの15キロで1時間45分…

 

 レッスンが終わって帰るときはできるだけ車が少ない方が良いと思い、ギリギリまで練習して23時に教室を出発、案の定除雪は全く間に合っていなくて、ここで車が走れるのかと思うような道です。車はとても少なかったので、気が遠くなるほど遅いスピードでそれでもとにかく前進しました。

 当然ヘトヘト…肩から首にかけてひどく痛い…久しぶりに本当に怖かったので、ガチガチになって運転していたのでしょう。

 家にたどり着いたのは0時45分…

 しかし、家の前の道路にはブルが入っていて、車庫の前にも雪がうず高く積み上げられていました。

 気を取り直して除雪…お隣とお向かいのきれいに整えられた雪山も崩して(すみません…)、1時20分、ようやく車を車庫に入れました。当然眠ったのは夏であればすでに明るくなっている時間でした。

 

 翌3日、札幌は快晴、恐る恐る道路へ出てみると、国道230号線は上り(札幌方面)だけきれいにあいていました。うちのあたりの交通はバスが中心なので、通勤時間帯までに大慌てであけたのでしょう。道路は溶けていて走りやすかったのですが、対向車線(定山渓方面)は全く除雪をしていなくてガタガタでした。

 悪い予感が…

 まさか…帰りまでこの状態じゃないよね…

 

 帰り、前日と同じく23時に出発、道路は途中まではかなりきれいにあいていて、藻岩橋まで30分、札幌の除雪はさすが、と思っていたのですが…

 藻岩橋から国道に曲がると…まさかの地獄…

 しかも途中に雪捨て場があるので、雪捨てダンプに前後と右側を挟まれてクラクションとパッシングの嵐を受けながら必死に前へ進みました。

 こちらの車線は物凄いのに反対車線はきれいにあいていて、もう逆走したい気分…

 結局この日も家に着いたのは0時45分…

 2日続けてこんな時間になるなんて…

 

 この日は雪は降っていないので簡単に車庫に入れると思っていたのですが、またしても切り返しに失敗…もう少し前に出れば切り返せるのに、前にお向かいの車が止まっていて怖くて出られないのです。

 既に冷静さを失っていました…

 もう少しと思って前に出ると…

 すんでのところでお向かいの車に突っ込むところでした。モニターを見てみると1メートル以上離れていたようでしたが、とっさのブレーキが踏めていなかったら深夜の大事故になるところでした。恐ろしくて家に入ってもしばらく茫然としていました。

 

 そして今日ついにダウン…朝目が覚めても目まいでしばらく起き上がれず、天井を見つめていました。今日は自宅でのレッスンなので、何とかレッスンできていますが…今夜は早く寝ないととんでもないことになりそうです。

 

 札幌の積雪はこれで例年並みになったそうです…まあ発表会の日でなくてよかったと思うしかありません。