ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

ロシア行き中止

 最近、コロナウィルスの感染がピークに達しているのはヨーロッパ、アメリカのようです。ロシアでもじわじわと感染者が増え、毎朝見ているロシアTVのニュースでもトップニュースがコロナウィルスのことであることがほとんどになってきました。

 

 8月29日(土)に声楽の友人2人と札幌で企画したコンサート「舞~言葉のないロマンス」は私にとってソロと伴奏の両方を受け持つ非常にハードなプログラムです。毎年8月に来日するパーヴェル(ネルセシアン)に本番前にぜひレッスンを受けたいと思っていました。しかし、今年は東京オリンピックと重なるために恒例のカワイのマスタ

ークラスはなく、5月にソロのプログラムだけモスクワでレッスンを受ける予定になっていました。

 モスクワ行きが決まったときはとても嬉しくてすぐにマイレージでチケットを予約し、発表会(今月20日、前回記事参照)が終わったらビザの手配をしようと思っていたのですが…

 

 コロナウィルスの感染者がヨーロッパで爆発的に増えたあたりからロシアでも状況が厳しくなってきました。ロシアTVのニュースで見るロシア各地の様子は日に日に緊迫していきます。

 そしてついに今月17日、外国人のロシアへの入国制限が出ました。一応5月1日までの予定だそうですが、今の状況が続けば延長されることは必至です。50人以上集まる催しは禁止になり、クラシックのコンサートもすべて中止(モスクワ音楽院ではオンラインでコンサートを配信しています http://mosconsv.ru/ru/event_p.aspx?id=166178)、モスクワ音楽院も閉鎖になっているようです。アジア人に対する差別、嫌がらせも横行し、近年になく危険な状況です。

 これはもはや行ける状況ではない…

 

 発表会が終わるまでは結論を先延ばしにしていたのですが、行けないと決まったのなら早く彼に知らせた方が良いと思い、18日にメールを書きました。

 10分たたないうちに返信が来ました。「今は、誰も何もわからなくて、何も計画することができない。気持ちをしっかり持とう」と書いてありました。

 2012年に彼のレッスンを受け始めてから、一年に一度もレッスンを受けないのは今年が初めてです。とにかく8月のプログラムを一人で仕上げなければなりません。

 

 先日の発表会でラフマニノフの2番の協奏曲の伴奏を弾いていたとき、一昨年訪れたイワノフカのラフマニノフ博物館の様子が繰り返し頭の中に浮かんでいました。まさにラフマニノフがこの協奏曲を書いた場所です。

 再びあの風景に会えるのはいつになるのでしょうか…

f:id:nakazoey:20200325164336j:plain