ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

先の見えない不安

 今の時期、デパートに行くと桜色のお菓子が並んでいて、気分も何となく春めいてワクワクするものですが、今年は様子が違っています。

 先月の中旬から話題になり始めた新型コロナウィルスは、じわじわと日本に接近したと思ったら、あっという間に日本中で感染者が出る事態になっています。私の住む札幌でも感染者が出ていて、いつも買い物に行く大通に行くのも何か怖い感じです。少し治まってから、と思っていたら発表会のプログラムの紙を買わないままこの時期が来てしまったので、昨日慌てて買いに行きました。

 

 約1ヶ月後に迫った発表会に向けても例年と違う緊張を強いられます。とにかく発表会の前に私が倒れたら開催不可能になります。不安でとにかく手洗い、うがいをしまくっています。また、感染すると行動ルートなどを詳しく調べられるらしいので、自分だけでなく、通って来る生徒さん、うちの家族の誰かが感染すればたちまち中止を考えなければならないわけです。

 この混乱がいつまで続くのかもわからない中、気持ちをしっかり保っていろいろなことを準備していくのは非常に大変です。

 

 もう一つの大きな不安材料が5月のモスクワ行きです。今年は8月29日に声楽の友人2人と札幌にてコンサートを予定しています(詳細はもうすぐアップします)。ソロと伴奏の両方を弾く非常にハードなプログラムです。この準備のためにモスクワでレッスンを受ける予定で、師匠に連絡を取り、航空券も予約しました。しかし、昨今の感染者の増加で日本人の入国に制限を設ける国が出てきています。

 先日、ロシアの隣のカザフスタンが日本からの入国者は2週間隔離して経過観察を行なうということで、知り合いの研究者が調査の渡航を中止しなければならなくなったという情報が入ってきました。そして、木曜日にロシアも日本人の入国を禁止するらしいという記事を見たときはショックで体調を崩してしまい、息も絶え絶えでレッスンをすることになってしまいました。結局、ロシアが日本人入国禁止にするというのは誤報だったことがわかったのですが(現在、中国人はロシアへの入国が禁じられていて、他の国に対しても必要な措置を取るということでしたが、日本を名指しで禁止とは言ってはいないようです)、この先禁止になるかも知れないと言う懸念は強まり、気持ちを保っていくのはいよいよ大変になっています。

 

 今考えていることは、とにかくできるだけのことをして一つずつやるべきことをこなしていくこと、今は発表会のことだけを考え、モスクワ行きのことはあまり考えないことにしています。

 今までになく厳しい状況での発表会になりそうですが、何とか乗り切れるように頑張っていきたいと思います。