ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

無事終了いたしました。

 教室の2020年の発表会は昨日、無事終了いたしました。北海道の緊急事態宣言の期間は明けましたが、まだコロナウィルスの感染者が出ている最中、発表会も厳戒態勢での開催でした。

 入場できるのは出演者、ご家族とあらかじめプログラムを渡した人に限らせて頂き、会場への人の出入りをできるだけ少なくすることにしました。また、写真撮影は本番前に変更し、演奏が終わった人はすぐ帰宅できるようにし、第3部の私の演奏「いろいろな舞曲たち」もカットしました。

 午前中のリハーサルの合間に入念な消毒と換気…

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 看護師の生徒さんが先頭になって指示を出してくれました。私には思いもつかなかった場所もあり、本当に助かりました。

 今回は発表会への出演の可否は各家庭、個人にお任せして、出演キャンセルは当日まで受け付けることにしていました。何人かのキャンセルは出ると予想していたのですが、実際は一人の欠席者もなく全員が演奏しました。

 

 リハーサル風景です。

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 舞台袖での待機用の椅子も離して設置します。

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 2月28日から3月5日までの直前の大事な時期にレッスンをお休みにせざるを得なかったので、お子さんも大人の方も一度下がったテンションを再び上げるのは大変だったようですが(実は私もそうでした)、皆、最後の最後で踏ん張ってくれました。

 本番がすべて終わった直後、「中止にしなくて良かった」と思うと同時に、ガラガラの教育文化会館の客席を見て、皆の頑張りをもっと多くの人に聴いて欲しかったと改めて悔しさがこみ上げてきました。

 

 教室を始めて22回の発表会の中で一番辛い発表会でした。何といってもこの情勢の中で発表会を開催するのが正しいのか、そうでないのか、今月7日に開催を決めた後も明快な答えのない問題に翻弄され続けた日々でした。40日も学校が休みになったお子さんの保護者の方からは「ぜひ発表会を開催して下さい」という声をいくつも頂きました。しかし、ネットを見ていると発表会どころかレッスンをするのもとんでもないという書き込みも多く見られ、そのたびにやっぱり間違いだったかと迷い、教育文化会館から電話が来るたびにこれは中止要請なのかとおびえ、私自身が心身ともにボロボロになっていきました。そんな中で教室の大人の生徒さんたちが、裏方や受付業務や消毒を担当して助けてくれました。その他この発表会を支えてくれた人達にも多くの感謝を申し上げます。人の優しさを一番感じた発表会だったかも知れません。

 

 今日から29日(日)までレッスンはお休みです。今、私自身の抵抗力は限りなくゼロに近いと思えます。来週末の東京行きも中止したので、自宅でゆっくり過ごし、新年度からまた気持ちも新たに充実したレッスンができるようにしたいと思っています。