ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

ステージ用の靴

 教室では発表会が近づいてきて、ペダルに慣れるためにレッスンに靴を持って来る人が増えてきました。ピアノはペダルを使用するので、ステージで使用する靴はとても重要です。
 
 生徒さん達は皆、ステージで履く靴が決まっているようですが、実は、私自身は決まっていませんでした。学生のときから長いこと愛用してきたステージ用の靴は長年使用したためボロボロになっていました。履きやすいのでドレスの裾で隠しながら何とか使ってきたのですが、なかなか足に合う新しい靴は見つかりません。
 細幅の25.5センチの私の足は、普通の靴も足に合うものを探すのが一苦労、特に日本では足幅の広い人が多いようで、長さは合っても幅が緩いことが多く、苦労します。むしろロシアの方が合うものを見つけやすいのですが、いつも荷物がいっぱいなので、靴を買いこむわけにもいかず、諦めて帰って来ることが続いていました。

 数年前、「ピアノを弾くための靴」が発売されたと知って、取り扱っている楽器店に試着に行ってみましたが、そのときはサイズが25センチまでしかなくて、25センチを履いてみたのですが、案の定長さはきつくて、幅は緩いということで諦めていました。しかし、この靴の新モデルが登場したという情報がSNS経由で入ってきました。しかも今度は25.5センチの設定があります。
 時間がなく、延び延びになっていたのですが、昨日、取り扱いの楽器店に試着に行きました。今度はぴったり…しかし、希望の色がなかったので取り寄せをお願いしてきました。
 
 新しい靴は今度の発表会でデビュー予定です。しかし、今まで長年愛用し、舞台の緊張も、失敗して泣いたときもすべて知っている古い靴を捨てることはできないでしょう。多分お守りとして家にしまっておくことになると思います。