ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

アイーダ

 札幌の新たな文化の拠点として注目を集める「札幌文化芸術劇場hitaru」のこけら落とし公演、オペラ「アイーダ」を観に行ってきました。大きな話題を集めていたこの公演、チケットを取るのも大変で、買えなかった人もたくさんいたようです。うちは会員の先行発売日(4月21日)に母が道新プレイガイドに5時間並んで根性で手に入れたのですが、それだけ並んでも第一希望だった初日の7日は取れず、2日目の8日になりました。(レッスン日の変更に応じて下さった月曜日レッスンの皆さん、有難うございました)

 開館したばかりの入り口、凄い数のお花でした。
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 劇場の中は濃い赤を基調にしたこんな感じです。
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 古代エジプトを舞台にしたこの「アイーダ」は奴隷にされたエチオピア王女アイーダと敵国エジプトの将軍ラダメスの悲恋物語、華やかで重厚な場面もたくさんある上、第2幕にはサッカーの応援でよく使われる「勝利の行進曲」があり、あまりオペラを知らない人も聞いたことのあるメロディーが出てきます。

 演奏は、やはり世界に誇れるものだったと思います。私が印象に残ったのは第3幕のアイーダ(木下美穂子)のアリア「おお、わがふるさとよ」と、第4幕のエジプト王女アムネリス(サーニャ・アナスタシア)が片思いの相手、ラダメスの助命を乞う場面の2つでした。特にラダメスが国を売った罪で死刑を宣告されたことを知って絶望していくアムネリスの演技が圧巻でした。

 ついに札幌でも第一級のオペラを観ることができるようになったという感動も味わいました。オペラをやっていた私の母は1960~70年代、「イタリア歌劇団」の来日公演を聴きに何度か東京まで行っていました。母の練習しているのを聞いて育った私もオペラが大好きで、お年玉をためてミラノ・スカラ座の公演を観に東京まで行ったことがあります。それだけに札幌にこのような劇場ができたことには感慨深いものを感じます。
 来年以降も続々と公演が予定されているようです。今回、話題になっているから行ってみようか、と思って劇場に来た方達もあの公演を観て皆、またオペラを観たくなっていると思います。この劇場ができたことによってクラシック音楽に興味のある人が増え、また、ここが札幌の音楽文化を牽引する場所になることを心から願っています。

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