ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

札幌舞踊会「カルミナ・ブラーナ」(12月15日、札幌文化芸術劇場hitaru

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 この週末は札幌舞踊会の「カルミナ・ブラーナ」を観に行ってきました。札幌の新劇場hitaruに行くのはこれで3回目です。舞踊会にバレエのレッスンに通うようになって今年で20年、前回の「カルミナ」上演のときは開演に遅れてしまい、立って観ることになってしまったのですが(休憩なしの1時間20分)、途中で具合が悪くなって帰って来てしまったので、今回hitaruのオ-プニングシリーズの公募企画で上演が決まったと聞いたときは、今回は初めからしっかり観たいと思いました。
 土曜日のレッスンを3時で切り上げ、母とhitaruに向かいました。母は「カルミナ」の合唱をつとめた経験があり、全曲をよく知っています。この曲にどのような踊りがつくのかとても興味を持っていたようです。

 作品の細かい筋書きはないのですが、大まかな構成は次のようなものでした。

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 何か人間の業のようなものを強く感じました。誰ということがない有史以来人間が繰り返してきたこと、慈しみであったり争いであったり、あるいは愛であったり…とても抽象的なのだけど、充分に納得できる内容だったと思います。また、音楽に踊りがつくことによって音のディテールがすごくクリアに聞こえるという印象がありました。

 教室で教えながらこれだけのものを完成させることができる先生方に心から敬意をあらわしたいと思います。リハーサルを進めるにあたってやはり時間との闘いがあったことでしょう。自分も頑張らなくてはいけないと思いました。限りなく高い完成度を追い求めていくことの大切さをしみじみと感じました。
 また、これだけ立派な劇場が札幌にできたことによって今、多くの人がこの劇場に注目しています。外来の公演ばかりではなく、地元の団体が公演することでこの劇場がより市民に身近なものになっていくのではないでしょうか。その意味でもこの公演は大きな意味があったと思います。