ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

ショパンコンクール

 現在、ポーランドワルシャワではショパンコンクールが開催されています。世界中から集まったピアニスト達がショパンの作品のみでその腕を競います。今日は第2次予選の最終日で、多分今日の夜半(日本時間13日明け方)には第3次予選進出者が発表されます。
 6月のチャイコフスキーコンクールのときは私自身が怪我で演奏活動をお休みしていたので比較的時間があり、演奏の大部分を聴いいてあれこれ予想したりしていました。しかし今は非常に多忙な上、第1次予選出場者が78人とチャイコンのときの倍以上なので全員の演奏を聴くことは不可能なのですが、話題にのぼっている人や日本人出場者を中心にできるだけ聴くようにしています。
 厳しい予備予選をくぐり抜けて来た人達の演奏は言うまでもなく極めてハイレヴェルで、これでどうやって2次予選に進出者を選ぶのだろうかと思いましたが、それだけに2次に残った人達の演奏はどれも皆、非常に説得力のあるものだったと思います。

 私が第1次を聴いた中で印象に残ったのは、まず今年8月に東京で行われた「ロシアン・ピアノスクール」にモスクワから招聘されて受講していたアルセニー・タラセヴィチ・ニコラエフ(ロシア)、やはりロシアからの出場者は皆、音の響きが非常に豊かでスケールの大きい人が多いと感じましたが(これは私個人の好みであるのだけれど)、この人は繊細さも併せ持ち、特にバラードの2番が印象に残りました。
 あとやはり「ロシアン・ピアノスクール」での公開レッスンを聴いたチ・ホ・ハン(韓国)のエチュードのしなやかさが印象に残っています。(この2人はそろって第2次予選に進みました)

 日本人出場者では最後に登場した有島京さん、ステージに登場したときから独特の雰囲気があると思いましたが、最後に弾いた舟歌が私はとても好きでした。
 あと、小野田有紗さんは難曲と言われるエチュード作品25-6から第1次のプログラムを始めたのですが、テクニックだけではなく、非常に歌心を感じられる演奏を展開していたと思います。
 木村友梨香さんのしなやかなノクターンにもとても惹かれるものを感じたので、2次予選に進めなかったのはとても残念でした。ただ、他のプログラムを聴けなかったので全体としてどうだったかということは言うことができないのですが…

 この非常に高いレヴェルの演奏の中でこの先差がついていくのは、ポロネーズマズルカなどの舞曲のリズム感ではないかと私には思えます。今、第2次予選で皆ポロネーズを弾いていますが、このリズムの取り方は難しいと感じます。少しリズムを作り過ぎていると感じる人もいましたし、踊りの曲であることをもっと意識した方が良いのではないかと思う人もいました。
 私自身も舞曲を演奏するときにリズムに悩むことが非常に多いです。これは子供の頃からこれらの舞曲のリズムが体に入っているヨーロッパ勢がやはり自然な表現ができるのかな、とも思えます。しかし、即踊れれば良い演奏になるかというとそうはいかないところが難しいところです。

 私自身は若い頃、ショパンの主な曲はひととおり勉強しましたが、年齢とともにロシアに傾倒してしまい、最近はほとんどショパンは弾いていません。
 でもこうしてコンクールを聴いていると、ショパンでも弾きたい曲が出てきました。

 この先、ますます目が(耳が)離せなくなりそうですね。