ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

松の木折った組

 いきなり懺悔します。子供の頃 私は悪ガキでした…
 一番年上の私が先頭に立ち、4才年下の妹、3才下と5才下の従妹、4人揃うといつも激しいいたずらをして母や叔母たちを悩ませていたのです。
 亡き伯母の法事のためお寺に行くと、お経の節回しがおかしいと笑いころげ(つられておかしくなるので母はとても困ったそうです)、終わるとネコ達を追い掛け回す始末…
 
 そして あるとき4人でお寺の松の木にぶら下がってついに折ってしまいました。
 住職の方が寛大で何もおとがめなしだったそうですが、あとで母にさんざん怒られました。
 今でも車でそのお寺の前を通ると、あの松の木どうなっただろう、と思ってしまいます。

 大人たちはかなり困ったそうですが、4人で遊んだり皆でどこかへ行ったりしたことは今でも私達の中で楽しい思い出として残っています。
 5年前 叔父の葬儀で久しぶりに従妹に会ったとき「松の木折った時いた?」と聞いたら「いたよ」と言って、ひとしきり昔話に花が咲いてしまいました。

 実家に一枚の写真が…別の叔父(母の末弟)の結婚式の日、悪ガキどもは皆ドレスを着せられ、写真に収まっています。でもきれいにドレスアップしていてもやっぱり雰囲気は悪ガキなのです…

 時は流れ、かつての悪ガキどもは皆40代…ある者は子育てに専念し、ある者は仕事一筋…皆 それぞれの人生を歩んでいます。
 
 今週末の法事で久しぶりに松の木折った組の従妹の一人に会います。何だかとってもなつかしい思いでその日を待っているのです。