ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

チェンバロの難しさ

 4月5日(火)に札幌コンサートホールKITARAで行われる「北海道工業大学入学記念コンサート」に出演します。
 このコンサートのプログラムの中にヴィヴァルディの「4つのヴァイオリンのための協奏曲」があるのですが、この曲で初めてキーボードをチェンバロの音色にして通奏低音を担当することになりました。バロック時代のソナタや協奏曲はたくさん弾いていますが、いずれもピアノで弾いていたので、チェンバロの音を舞台で出すのは初めてです。
 幸い 家にキーボードがあったので、早速チェンバロの音色にして練習してみました。少し慣れてきたので大丈夫かな、と思っていたのですが…

 リハーサルで弾いてみると チェンバロはピアノより音の立ち上がりに時間がかかるので、私だけ遅くなってしまうのです。ヴァイオリンのソリストの方達にも低音を担当しているチェロの方にも注意されました。
 大切なことに私は気づいていなかったのです。
 ピアノよりも音の立ち上がりの遅いチェンバロの音でまわりに合わせようとしていくと遅くなってしまうのです。
 2回目に弾いたときは 少し他の方達を引っ張るように前向きなテンポにしてみると…今度はOKが出ました。
 このことに気づいて本当に良かったです。5日の本番までにもう少しさらい込んでうまく合うようにしていきたいと思います。

 ヴィヴァルディ以外の私が弾く曲目は(あとはピアノです)マスカーニの「カヴァレリア ルスティカーナ」の間奏曲と「チャイコフスキー メドレー」です。チャイコフスキーは有名な曲をメドレーでつなぎ合わせたもなのですが、冒頭に「ピアノ協奏曲第1番」の最初の部分が原曲のまま入っています。私のロシア音楽との初めての出会いだったこの曲を一部とはいえ再び弾けることをとても幸せに思って練習をしています。

 なおこのコンサートは関係者のみの入場となっています。悪しからずご了承下さい…