ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

震災の傷あと

 今月11日の大震災のあと初めて東京へ行きました…

 4月9日に東京でピアソラの「ル グラン タンゴ」の2台ピアノ版を弾くことになっています。震災のあと東京は停電の影響もあり、あちこちでコンサートが中止になっているのですが、とにかく中止と言われない限りきちんと準備をしておかなければなりません。

 停電があって電車のダイヤが読めない上、ガソリンや食料品が不足しているという東京…いつものように予定も立たない上、何を持って行ったら良いのかもわからない…

 震災で何もかも失った人のことを考えたら こんなことで文句を言ってはいけないと思いながらも、先の見えない状況にイライラし、出発前から消耗してヘトヘト…

 考えた末 新宿に予定していた宿をリハーサル予定の2台ピアノのパートナーの自宅(八王子市)近くに変更し、電車が止まっていることを想定して羽田空港から往復リムジンバスを使うことにしました。

 そして昨日 少々緊張しながら羽田に着いてみると…

 暗い…

 必要な所以外の広告などの電気はすべて消され、照明もかなり落としてありました。何だかロシアの空港みたい…(ロシアの空港はだいたい日本の空港より暗い)空港だけではなく、八王子駅も…
 考えてみたら、これだけの明るさでも駅も空港も機能できるんですね。自分がいかに無駄な明るさに慣れてきたか思い知らされました。

 パートナーの自宅も壁にひびが入り、レンガの塀が壊れていました。室内ではグランドピアノが動き、飾り物は壊れ、スピーカーが落下したそうです。
 改めて今回の地震の怖ろしさを目の当たりにしました…