ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

ロシア号は…

 バイカル湖イルクーツクに別れを告げ、最終目的地 ハバロフスクへとやってきました。この旅もいよいよ終わりに近づいています。3日間かけて列車で走ったところを 飛行機ではわずか3時間半で飛んでしまいました…

 ところで 私達の乗った7月4日ウラジオストク発のロシア号は?

 イルクーツクで列車を降りたときは寂しくて涙が出ました…(例の車掌のオジサンはきちんとトランスファーのプラカードの宛名を確かめてから、私達を降ろしてくれました)その後も毎日時刻表を見ながら、あのロシア号はどこまで行ったかチェックしていました。

 私達がイルクーツクに到着したのは、現地時間の7日の17時57分(モスクワ時間同日12時57分、ロシア国内の鉄道はすべてモスクワ時間で表示)でした。

 そして今…あのロシア号は…まだ走っているのです…

 今 ちょうどウラジーミルに着くところです。モスクワまであと200キロ余り…
 そして私達のいる極東ロシア時間の11日0時58分(モスクワ時間10日17時58分)あのロシア号はモスクワ ヤロスラヴリ駅に到着します。
 その距離は約9300キロ…筆致に尽くしがたいスケールの大きさです…ロシア音楽の源泉はこんなところにあるのかも知れませんね…

 車掌のオジサン(名前はアナトーリ)が黙々と仕事をしている様子が目に浮かびます。本当に生真面目に自分の職務をこなす人でした…(時々私が車掌室に行っておしゃべりで邪魔してたかも…)
 ロシア号の車掌は下り列車一週間、上り列車一週間の二週間を連続で勤務した後休みになると聞いたことがあります。

 どんなにかホッとするんでしょうね…