ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

ウォーミングアップ

 毎朝 朝食が済むと私が必ずするピアノの練習があります。

 いわゆる「指の練習」と言われるもので、今まで教えて頂いたタッチの練習や鍵盤の上で遠くへ飛ぶ練習、それにハノン(指の練習の本として有名なピアノの本)からスケール、アルペジオを全調、半音階、オクターヴの音階を入れ、自分で約1時間に編集しました。(あまり短いと訓練が足りないし、長いと毎日続かない)
 「ピアニストは必ず毎日するもの」と学生の頃先生に言われた私は、当時も現在も欠かさず努力を続ける先生(本当に偉大な存在です)の真似をして自分も毎日やってみようと決心して始めました。ちょうどバレエダンサーが毎日バーレッスンをするように 札幌にいても 東京でもモスクワでもどこへ行ってもこの練習が数十年来の習慣になっていました。
 
 それだけに 体調を崩してこの練習ができなくなったときは辛かったですね。
 自分は弾けなくなるのではないかという不安にさいなまれる日々が続きました。

 そして 体が回復してきたとき やはり私はこの練習で自分のコンディションの調整を始めました。もちろん初めは1時間どころか30分も続かなかった…何度も何度も挫折しながら少しずつ時間を延ばしていきました。
 ピアノを弾く体の感覚が少しずつ、本当に少しずつ自分の中に戻ってきました。

 昨年の大晦日からやっと以前と同じ内容で練習できるようになりました。と同時に あんなに疲れて続かなかったのに自分で弾きたいと思えるようになりました。

 この先 年をとって筋力が落ちてくると、更にこの練習を毎日続けることが大事なものになってくるそうです。
 一度手放しかけたピアノを再び手放さないためにも、今年は何としても毎日続けようと思っているのです。