ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

毎日学生音楽コンクール

 9月10日から11日にかけて北海道大会のピアノ部門の予選が開催されました。
 このコンクールは数ある子供のコンクールの中で最も課題曲が難しくレヴェルの高い受験者が集まることで知られています。小学生部門ですでにバッハのシンフォニアとクラマー=ビューローのエチュードショパンのワルツの3曲を要求され、中学生部門になるとバッハの平均律とモシュコフスキーの「15の練習曲」。これらの課題曲を4か月半で仕上げなければなりません。

 今年はうちの生徒さんが受験した中学生部門を中心に聴きました。いつもコンクールのときはあまりじっくり聴く時間がないので、昨日は自分の勉強のためにも少し時間を取ってを聴きました。
 バッハでポリフォニー(複音楽)の完成度を見られ、モシュコフスキーでテクニック的なところを見られます。なかなか両方を兼ね備えた人はいない。バッハがうまくいってもモシュコフスキーで破たんをきたした人もいました。速いパッセージがしっかりした音できちんと決まる人はわずかでしたね。練習の方法にももう少し工夫が必要だと思って聴いていました。また ハノンやスケールなどの指の訓練を普段からきちんと継続して指導していかなければならないと強く感じました。

 うちの生徒さんは今回は残念ながら本選には進めませんでした。やはり厳しいものです。平均的な点数は入っていたと思えますが、突出しているというわけにはいかなかったですね。大切なのはこのコンクールを今後にどれだけ生かして行くかということですから、これを一つのステップに更に努力を重ねて行って欲しいと願っています。また こちらも更に充実した指導ができるように常に勉強を怠らないようにしていきたいものです。