ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

「揺れる大国 プーチンのロシア」 NHK総合テレビ

 発表会では ロシアの四季と平和な人々の暮らしを表現しましたが、さて 今の現実のロシアは…

 3月に4回に渡ってNHKテレビで放送があり、現在のロシアが抱えるさまざまな問題が浮き彫りにされていました。第1回(3月8日放送)は経済界、第2回(9日)は宗教界、第3回(22日)は旧ソヴィエト連邦の隣国グルジア、第4回(23日)は軍隊。

 広大な国土(何しろ国土がアジアとヨーロッパにまたがっている)にさまざまな民族、海で囲まれている日本と違っていろいろな国と陸上で国境を接しているのですから、そこに派生する問題も日本では考えられないようなことが多くあったように思います。
 資源を持つ国として莫大なオイルマネーが流れ込み、モスクワをはじめとする都会は随分華やかでオシャレになりました。物価はどんどん上がり、格差も拡大し、それにともなう犯罪も増加している…そして昨年秋からの世界的不況によって 経済界も混乱してきているようです。
 特に第3回目と第4回目は スラヴ系以外の民族(もちろんアジア人を含む)に対する根強い差別、反感がいろいろなところで噴き出している現実を伝えていました。
 グルジア人の子どもがモスクワの学校でいじめにあったり、中央アジアの労働者が公園で暴行を受けたり、火をつけられたりする映像もありました。

 負の側面が多かったのですが、ロシアによく行く以上 知っておかなければならないことだと思って見ていました。日本にいるとロシアのことはあまり報道されませんし、NHK-BSで放送されているロシアのニュースも1日5分くらいだし、勉強のため一生懸命聴いても 私のロシア語力では全部を完璧に理解することはまだ不可能なのです。
 だからといって何に気をつけたら安全かということは言えないくらいいろいろなことが起こるため、ロシアでは常に緊張して暮らしているのですが、(ロシアに住んでいる方は多分もっと大変で、私はまだまだ抜けているところがあると思う)自分がロシア音楽を研究の中心に置き、この国が世界的レヴェルの演奏家を世に送り出し続ける限り、私はロシアに通い続けると思うのです。