ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

hitaruバレエプロジェクト「くるみ割り人形」

 もう一週間前になってしまいましたが、先週末の9日(土曜日)にhitaru(札幌文化芸術劇場)にて行われたバレエ「くるみ割り人形」の公演を観に行きました。

 この公演はhitaruが主催し、地元のバレエ団体や実演芸術家の協力を得て行う公演で、主な役の一部はゲストダンサーを招聘していましたが、その他の出演者は北海道のバレエ団体からオーディションで選ばれた人達でした。

 9日昼、9日夜、10日の3回公演で、チケットはすべて売り切れ、うちの生徒さんでも観に行きたかったのにチケットが買えなかった人が何人かいました。3回の公演がすべて売り切れるほど札幌でバレエを観る人が増えてきたということは、とても喜ばしいことであると思いました。

 

 私は土曜日の教室のレッスンを終えて、9日の夜の部を観ました。

 主役やソリストだけではなく、コールド(群舞)の隅々までよく鍛えられたテクニックとしなやかな音楽性が感じられました。私の通っているバレエスタジオの先生の何人かのお顔も見えました。その他にも教室を開きながら舞台に立っている方々がたくさんいました。教えながら自らも研鑽してこのオーディションに臨み、舞台に立つことは簡単なことではないと思われます。心から尊敬の念を感じ、自分も頑張らなければと思いました。

 

 主役のアマンディーヌ・アルビッソンとマルク・モロー(パリ、オペラ座)は、舞台での佇まいや踊りのラインの美しさが強く印象に残りました。彼らと同じ舞台に立った子供たちや若いダンサー達にはさぞかし大きな刺激となったことでしょう。

 

 この公演に、2年前までうちの教室にピアノを習いに来ていた生徒さん(男子)が一幕の兵隊の役と2幕の花のワルツのミニソリストで出演していました。ピアノのレッスンに通ってきていた頃からバレエへの並々ならぬ意欲を見せていましたが、今回晴れてオーディションに合格し、出演が決まったそうです。

 兵隊の方は化粧が濃かったのでオペラグラスで見てもわからなかったのですが、花のワルツの方はすぐわかりました。真剣な表情で相手役の女性ダンサーをサポートしていました。大きく成長した姿を観ることができて感無量でした…

 まだ彼がピアノに来ていた頃、レッスンで何か反抗的なことを言った彼に(何を言ったかは記憶していないのですが)私は、

 「あなたの手は将来女の子を支える手だよね」

と言ったことがありました。すると彼は黙ってそのまま練習を続けました。

 今まさにそのとおりになったのです…

 

 この公演は23日からHTB onライン劇場で配信が行われるそうです。

 今回一緒に行った母と「絶対もう一回観たいね」と話しています。

 今回チケットが買えず観ることがかなわなかった方のために配信のチラシも載せておきます。