ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

バレエ復帰

 3年前骨折した左足が治ってからずっと、もう一度バレエの稽古に行きたいと思ってきました。しかし、世の中はコロナ禍、レッスンに来る生徒さんにうつしてしまったらと思うと、人が集まるバレエのクラスに出ることには非常なためらいがありました。

 昨年5月、何とか個人レッスンを始めたのですが、6月下旬に実家の父の具合がとても悪くなり、レッスンの予約をキャンセルしてしまいました。

 そして今日、1年ぶりに個人レッスンに復帰しました。昨年8月に父が亡くなってから、死後の手続きなどを済ませ、気持ちをバレエに向けるためにはやはり長い時間が必要でした。

 

 今年は年明けから練習しなければならない曲が激増し、リサイタル(8月12日)が終わるまでは無理だと思っていました。

 しかし、運動らしい運動をしないで激しい練習やリハーサルをこなしていたせいで、4月末頃から次第に背中や肩の痛みに悩まされるようになってきました。身体に痛いところがあると気持ちが不安定になってきます。

 また、8月のリサイタルのプログラムの前半は「いろいろな舞曲たち」と題して、ワルツ、マズルカポルカ、タンゴなどの舞曲を演奏する予定です。この舞曲のリズム感が今一つ身体に入っていない感じがずっとしていました。

 

 バレエに行きたい…バレエに行けたら舞曲のリズム感について何かがつかめるのではないか…

 

 西洋の踊りが生まれたときから身体に入っていない日本人だからできなくても仕方がない、と思うのは嫌でした。ピアノの師匠パーヴェル(ネルセシアン)はレッスンのときよくバレエを例にとって説明します。多分バレエのイメージを話すと私がよくわかると思っているのでしょう(6月8日の記事参照)。

 

 踊りから遠ざかったら、身体の中の踊りの感覚が薄れてしまうのではないか…

 

 これは私が一番恐れていたことでした。

 リサイタルまでの日程は非常にタイトなのですが、5月下旬、決心してバレエの先生に連絡しました。

 

 そして今日、私は1年ぶりにレオタードを着て鏡の前に立ちました…

 自分で伸ばしていたつもりだった背中は見事に丸くなっていました。身体の軸もどこにあるのかわからないほどゆがんでいました。それでもレッスンでいろいろ直されると、わずかな間に私の身体は少しずつ音楽に合わせて体を動かすという感覚を思い出していきました。

 明日は筋肉痛必至ですが、この時期に復帰して心からよかったと思えました。

 何とかリサイタルまでにあと数回行きたいと考えています。

 

 リサイタルについての詳細はこちらの私のサイトからご覧下さい。

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