ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

年末

 2022年もいよいよあと2日となりました。

 今年が穏やかな年だったという人はおそらく少ないことと思います。私にとっても2月にロシアのウクライナへの侵攻が始まり、日本でも反ロシアの感情がまわりに渦巻き、心を痛める日々が続きました。8月に父が亡くなったことで心身ともにひどく壊れてしまい、ついに12月1日のリサイタルも来年8月12日(札幌市民交流プラザ内クリエイティブスタジオ)に延期しました。また、暮れも押し迫ってから親戚で急に入院する人が出たりして荒れる年は最後まで、という感じで年末を迎えています。

 

 そんな中での今年の唯一の救いは、3年ぶりに師匠のパーヴェル(ネルセシアン)の生の演奏に触れ、対面レッスンを受講できたことだったでしょう。

 その後もオンラインでレッスンを受け、私は少しずつ以前のテクニックやモチベーションを取り戻しつつあります。

 12月23日にモスクワ音楽院小ホールで行われたパーヴェルのリサイタルの動画が上がってきました。


www.youtube.com

 

 何か悟りを開いているように感じられるのは私だけでしょうか…

 父を亡くしたとき「とにかく練習しなさい。こういう困難なときはコンサートがあなたを助けてくれる」と言われました。何かこの言葉が迫って来るように私には思えました。

 

 人間は非常に悲しい出来事があると記憶力が減退するのですね。父の葬儀のあと2か月近くに渡って実家にとどまり、手続きその他を一手に引き受けてくれた妹からその続きを引き受けたとき、詳細にわたって説明を受けたにもかかわらず全く覚えられず、自分は精神的におかしくなっていくのかと思ったものです。今月に入ってからようやくその記憶力が戻ってきたような気がします。

 

 来年2023年のキーワードは「再生」です。心身ともに立て直してまず教室の発表会(3月21日)、そして8月のリサイタルにつなげていきたいと考えています。

 皆様にとっても来る年が穏やかで幸せな年になりますように…

 どうかよいお年をお迎え下さい。