前回このブログを更新したとき「とても嬉しいことが2つありました」と書いたのですが、今日はその2つめについて詳しく書きたいと思います。
題名の「病からの復帰」は私のことではなく、大学院を修了して演奏活動を始めた頃から私の演奏活動を支えてくれていた東京の師匠(日本人)です(実際はもっと以前、大学を受験するときからお世話になっています)。ピアニストとしてうんと未熟なまま世の中に出てしまった私は先生がいなかったら、今まで演奏活動を続けることはできなかったでしょう。
しかし、コロナ禍が始まってからはずっとレッスンに行けない日々が続いていました。
そして昨年の夏、先生が癌に倒れたことを知りました。
検査入院から始まって、切除手術と長期に渡る入院生活…演奏家、教師として現役なので、練習もできなくてさぞかし焦る日々だったと思います。
ようやく退院して仕事に復帰した途端に癌の転移が見つかり、再入院…最初の手術から3ヶ月経たないうちに再手術となりました。
メールのやり取りで様子を知るたびに心が痛みました。今まで病気ひとつしたことがないそうですが、何しろ84才の高齢…2度の開腹手術はさぞかし心身ともに疲弊したことでしょう。
私はただ祈ることしかできませんでした…もう一度レッスンして下さい、と…
秋が終わって雪が降り始める頃、退院してコンクールの審査に復帰したという知らせが届きました。同時に抗がん剤治療が始まったそうです。
抗がん剤もまた苦しい治療だと聞いていたので、やはりとても心配だったのですが、意外にも全く副作用がなかったのだそうで、主治医の先生にも驚かれたのだそうです。
今年の春、12月にリサイタルを開くことを決め、思い切ってレッスンをお願いしました。
そして今月の23日、2年半ぶりに先生宅に伺いました。先生は大病をした人とはとても思えないほどお元気で、以前とまったく変わっていませんでした。ただ、抗がん剤の最後の5クールめで腕に発疹ができてしまったのだそうですが、苦しいことは何もなかったのだそうです。コロナワクチンも3回とも何も副反応がなかったそうで、3回とも熱が出た私は驚くばかりです。やはり、気持ちのしっかりした人なのでしょう。
基礎練習から始まって(私は年を重ねるごとにこの練習の大切さが身にしみています…)、リサイタルプログラムの半分をみっちり2時間…長期化するコロナ禍で私も気持ちが病んでいたと思いますが、すっかり元の調子を取り戻して帰ってきました。
これからリサイタルに向けてまた東京行きが続きます。次のレッスンは、うちの教室の生徒さん2人が出場するピティナピアノコンペティションのグランミューズ部門(6月19日の記事参照)の本選の翌日になりました。その日に向けて私も練習を頑張りたいと思います。
リサイタル(12月1日)についての詳しいことは、まもなくこのブログでもお知らせいたします。