ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

とにかく前へ進むしかない…

 ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まって10日が経ちました。どうか被害が最小でありますようにという世界中の願いもむなしく、戦闘はどんどん拡大し、目を覆いたくなるような残酷な映像が毎日テレビやネット上に流れてきます。

 この10日間、私は次々変わりゆく状況についていけず、頭が真っ白になったまま、教室の発表会に向けて突っ走っていました。

 プログラムやお便りの配布、その上に確定申告(今年は提出期限の延長はなく、3月15日までの提出なのです…やっと今日終わりました)、とにかく目の前のことをひとつひとつこなしていくしかないと懸命に自分に言い聞かせています。

 

 それでも師匠のパーヴェル(ネルセシアン)と連絡が取れ、無事だとわかったときはとても安心しました。まさか危険なところに行ってはいないだろうと思いましたが、それでもロシア国内で経済制裁などでで混乱が続く中、とても気になっていました。彼はモスクワ音楽院の他、アメリカのボストン大学でも教授をつとめていますので、もし、アメリカにいたとしたら今、世界中で反ロシアの嵐が吹き荒れる中、辛い思いをしていないか心配になります。

 そして、今月末には来日して東京文化会館でリサイタルがあるのだけど、今のように日本でも反ロシアの気運が高まっている中で果たして公演ができるのか、これもまた大いに気になるところです。主催者のHPでは開催となっているので、今のところは大丈夫のようです。私は最後まで希望は捨てないつもりです。

 

 いろいろなことが一気に押し寄せて、やってもやってもやることが減らないのですが、とにかく前へ進むしかありません。

 自分は発表会に向けて懸命に取り組んでいる35人の出演者の皆さんに支えられていると感じる今日この頃です。