ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

第7交響曲(Седьмая симфония、映画、ロシア、2021年)

 コロナだ、ワクチンだと慌しく時が過ぎる中で、ロシア語の勉強は何となくテンションが上がらないでいました。パーヴェル(ネルセシアン)のオンラインレッスンとロシア語のレッスン以外はロシア語を使う機会もなく(それでもパーヴェルのレッスンは5回受けたのですが)、気がつくとSNSなどのロシア語の記事も読むのも少なくなっていました。

 

 そんな私のロシア語熱に再び火をつけた映画が、一週間程前公開されました。

 

 «Седьмая симфония»、日本語に訳すと「第7交響曲

 第2次世界大戦時、封鎖中のレニングラード(現、サンクトペテルブルク)で行われたショスタコーヴィチの「交響曲第7番」のコンサートの模様を描いたものです。全部で第8部まであり、とても長いのでまだ見終わっていません。このブログを書いている今日現在、見たのは第3部の途中までです。

 ロシア語のヒヤリングの訓練のために毎日ニュースを見ているロシアTVのサイトでこの映画の宣伝をしていましたが、放送時間がモスクワ時間(日本時間マイナス6時間)の21時20分…

 これは明け方になってしまうと思い諦めていたのですが、2,3日前に見てみると、YouTubeに上がっているではありませんか…

 やった、と思い、見始めたら止まらなくなってしまった…初めから涙なしには見られないものでした…

 

 この話は確か2019年の初め、NHK,BSプレミアムで「ショスタコーヴィチ、死の街を照らした交響曲第7番」という題で放送されていました。

 この番組を観た私の感想を書いたブログがこちらです。

 

nakazoey.hatenablog.com

 

 このときはもちろん日本語の説明と字幕がありましたが、今回は字幕はもちろんありません。1回聞いただけではわからないところは戻し、何とか第3部の途中まで行きました(それでもわからないところもやはりありました)。まだ半分以上あります…

 また、家にこんな本があったので、詳しい経緯がわかって、内容が理解しやすくなりました。

 

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 封鎖下のレニングラードでコンサートをすると決まっても、ある者は前線に行き、ある者は飢えと寒さで体調を崩して楽器が弾ける状態ではない、ある者はすでに亡くなっていたりと人間の限界を超える究極の状況の中で何とかメンバーを探し当て、1942年8月9日のコンサートの開催にこぎ着けるのです。

 

 NHKの番組を観た2019年より、コロナ禍の現在の方がより一層心に迫って来ます…

 コロナ禍が始まってから多くのコンサートが中止に追い込まれ、音楽は不要不急なのかという論議があちこちでなされました。

 

 こんな究極の状況でも音楽が人の心に響き、奮い立たせることができるのだと改めて感じました。

 

 この映画を見始めてから、落ちていた私のロシア語のヒヤリングはかなり改善したのではないかと思います。どんなに難しくても頑張って、また続きを観ます…

 

 この映画のサイトはこちらです(ロシア語)。

https://www.kino-teatr.ru/kino/movie/ros/141972/annot/