ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

お坊さんアレルギー?

 あれは確か2001年にモスクワへ勉強に行ったときだったと思います…

 出発直前 モスクワの日本大使館をはじめアジア各国の在ロシア大使館にネオナチのグループが次のような内容のメールを送ったことが報道されました。
 「ロシア国内に滞在する貴国民をすみやかに退去させるように。さもなくば彼らは残酷な目に逢うだろう…」確かこんな内容でした…

 その前から モスクワでネオナチが活発に活動していることは耳にしていました。有色人種を目の仇にしている彼らは有色人種とみれば誰彼かまわず襲うということを繰り返していたようです…
 
 よほど行くのをやめようかと思いましたが、やっぱり行ってしまった…(このときで出会ったタチヤーナ ラーコヴァ先生のところにその後リサイタルのたびに通うようになったので、やはりあのときやめなくてよかったですね…)
 
 モスクワに着いてからも お世話をして下さった友人や先生方からも危ないから充分気をつけるようにと言われました。

 ホームステイ先から学校までは地下鉄で通っていましたが、(まあタクシーよりは怖くないのではないかと思ったのです…)地下鉄の車内や駅でも 迷彩服を着て頭をピカピカに剃ったネオナチを見かけては身の縮む思いで逃げて歩き、日本は何と平和なのだろうと切実に感じました。

 何とか2週間を乗り切り、無事日本に帰りつきましたが、このときの恐怖感は忘れることができず、お葬式や法事でお坊さんのピカピカ頭を見ると気分が悪くなる、ということが今も続いています…

 このブログを読んで下さった方の中にお坊さんがいらしたら…申し訳ありません…と思うと同時に島国で単一民族の日本では想像できない人種差別の根の深さを感じています…