ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

もしもピアノをやっていなかったら…

 私自身は思春期に進路で悩むこともなく 自然にピアノを弾いてこの道に入ってしまったのですが、もしピアノを習っていなかったらどんな道に進んでいたかと人に聞かれることが時々あります。少女時代はバレリーナに憧れたり(夢の続きを引きずって今でもバレエを習っています…)と やはり舞台関係に強い関心があったのですが、舞台と全く関係のない分野に進んでいたら何をしていただろう?と考えると、関心があることが2つ見つかりました。

 1、医師(精神科)
 精神的に追い詰められて凶悪犯罪を犯す人があとを絶ちません。人間の精神というものはもろく壊れやすい と同時に ある面では相当なしたたかさも持ち合わせているようです。目に見えない人間の精神というものがどのようなものなのか、なぜ精神の病気が起こるのか、研究してみたかったという気持ちがあります。

 2、通訳者
 高校までは外国語(当時は主に英語)の勉強が大嫌いだったのですが、大学、大学院と進み、外国の演奏家の方々と出会う機会ができると、ごく自然に「コミュニケーションが自由にとれるようになりたい」という欲求が芽生えてきました。
 現在はロシア音楽を研究の中心に置いているので、ロシア語をずっと続けています。勉強するのは今は大好きで、何の言語でも 1つの言語を極めて コミュニケーションのギャップを埋める仕事ももしかしたら自分に合っていたのではないか、と思ったりしています…

 どちらも長く厳しい訓練と、末永い勉強が必要な世界ですので、これからやるのはムリですよね…あと2回生まれ変わることができたら、両方やってみます…(!!!)