ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

コンサート「露西亜音楽再発見」

 一昨日、無事終了いたしました。一緒に出演した方、会場にいらして下さった方、またこのコンサートを支えて下さいましたすべての方に心より感謝申し上げます。
 日本アレンスキー協会に入れて頂いてまもなく2年、素晴らしい方々と舞台を共にすることができ、幸せを感じると同時に非常に緊張していました。

 今回で協会のコンサートに出演させて頂くのは3回目なのですが、実はまだ一度も本調子で弾けたことがなかったのです。
 初回の昨年3月8日は右手の怪我の直後で、痛み止めを飲み、歯を食いしばっての出演になってしまいましたし(会場の奥井ギャラリーはこのときが初めてだったのですが、痛かった記憶しか残っていません)、2回目の10月3日はようやく右手が弾けるようになり復帰した直後でした。
 やっと痛みや恐怖感がなくなった今回「今度こそ」という思いが自分の中にありました。

 また、今回は「メロデクラメーション」(ロシア詩の朗読とピアノの共演)という新しい分野にも挑戦させて頂きました。
 声楽の伴奏はたくさんやっていましたが、歌ではなく語りになるとどうなるのか、ということはずっとわからなくて、いろいろ試行錯誤を繰り返す中で、詩だけはきちんとやっておこうと思って準備を進めてきました。
 詩がとても難しくこれをどうピアノで表現したら良いのかというのは最後まで悩み続けましたしたが、本番では詩の朗読を聞きながら、その場面を思い浮かべて弾いていたような気がします。
 非常に苦労したにもかかわらず、終わったときはとても寂しかった。このような曲をまた演奏できる機会はあまり考えられないような気がしますので。
 
 また、ヴァイオリンと共演したソコロフの「エレジー」とチェロとのグラズノフの「吟遊詩人の歌」も大切なレパートリーになりました。

 昨日は一日レッスンだったので、今日から早速次に向けて始動です。
 30日(土)にロシア領事館での新年会で演奏いたします。曲目は、
   スクリャービンマズルカ 作品3-2
   グリンカバラキレフ編曲):ひばり
の2曲です。