ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

明けましておめでとうございます!

 このブログを読んで下さっている皆様、お元気で新年を迎えられましたか?
 札幌は少々寒いものの、お天気が良く穏やかな元旦になりました。
 暮れのツルツル道路の運転が余りにも大変だったので(その上、さらわなくてはならない曲もたまっている)、もう仕事初めまで絶対外には出ないと決めて家に閉じこもっていたら、今日昼頃、両親がおせち料理を持って来てくれました。

 昨年は私にとって試練の年となりました。一昨年の札幌でのリサイタルのあと燃え尽きて、心身ともに疲れ果てたまま突き進んでいたのですが、3月に右手薬指の靭帯を損傷し、半年にわたって演奏を休まなくてはならなくなりました。
 手の痛みよりも心の痛みが大きく、気持ちが折れかけていたときに私を救ってくれたのが、リサイタルで2台ピアノのパートナーをつとめてくれたパーヴェル(ネルセシアン)の「左手の曲を勉強しなさい」という一言でした。それまでは自分が左手の曲を弾くことになるとは思ってもいなかったのですが、溺れる者は藁をもつかむ心境で私はこの一言にすがったのかも知れません。
 昨年ひと夏をかけてラヴェルの「左手のための協奏曲」を猛勉強することとなったのですが、その結果私の左手は以前より雄弁にものをいうようになりました。
 怪我をしたことで多くの方にご迷惑とご心配をおかけすることになったのですが、人生において必要でないことは何もないということを身をもって知った一年となりました。
 その後、9月に両手で舞台に復帰し、年末になってようやく右手の恐怖感が抜けました。

 今年は手も完全に回復したので、演奏に、指導にアグレッシブに突き進む年にしたいですね。
 今年最初のコンサートは1月22日に札幌コンサートホールKITARAで行われる日本アレンスキー協会主催のコンサート「露西亜音楽再発見」です。(詳しくは こちら) ヴァイオリンとチェロとの室内楽との他にメロデクラメーション(ロシア詩の朗読とピアノの共演)という新しいジャンルにも挑戦します。
 教室の発表会(3月21日)も昨年は怪我のために自分の演奏をすべてキャンセルしてしまったので、今年は元気に復帰します。プログラムについては2月末頃このブログでもお知らせいたします。
 あと4月には、昨年必死の思いで勉強したラヴェルの「左手のための協奏曲」を弾くことになっています。(この曲は私の最も辛い時期を支えてくれた大切なレパートリーになりました)

 また、今年はリサイタル以来ずっと願っていたことが実現する可能性が出てきました。そのためには更に鬼のようにロシア語をやらなければならないのですが…年末にこの知らせを聞いて、私は明るい気持ちで新年を迎えることができました。

 あと、バレエも昨年はほとんどレッスンに行けなかったので、新年から気持ちも新たにやり直します。

 皆様にとって良い年になりますように。

 教室の新年のレッスンは、5日(火)から始まります。